2021年3月1日月曜日

紫の野におりたつべし


大宰府政庁跡、裏にいくとこんなかんじ。
ホトケノザの群生です。

といっても春の七草のあれではありません。
春の七草、いえますか。

せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ
これぞななくさ。

七草のほうは別名、オニタビラコ、キクの仲間です。
対するこちらはシソの仲間です。

吾も春の野に下り立てば紫に
             星野立子

高浜虚子の次女、虚子に師事し、そのあとを継ぎました。
明るく伸びやかな感性の日常詠を特色とするそうです。

この句も例外ではなさそう。
立子、紫の野に立つ。

その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。
失われし大地との絆を結び、ついに人々を青き清浄の地に導かん。

ナウシカを思い浮かべてしまいますね。
クライマックスでナウシカの服の色が赤から青に変わり・・

ナウシカは古代ギリシアの長編叙事詩『オデュッセイア』に登場。
紀元前8世紀の吟遊詩人がうたったそうですから、ほぼ3000年まえ。
縄文杉がひこばえのころの話です。

スケリア島の王女で、オデュッセウスを故郷イタケへ送りかえします。別れ際、国へ帰ってもいつか自分のことを思い出してほしいと告げて。

ナウシカは20世紀最高の小説の一つ『ユリシーズ』にも登場します。
そりゃそうです。ユリシーズはオデュッセウスの英語読みですから。

こちらのナウシカはちょっとエッチな役柄。
でも放浪し虐げられた主人公を癒やし快復させる役割はいっしょです。

宮﨑駿のナウシカはどれともちがっていてアクティブ。
でもわれわれを深いところで癒やしてくれます。

きょうから弥生三月。
みなさんも筑紫の春の野に下り立ちませんか。
失われた人々との絆を結び直すために。

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