2013年4月9日火曜日
言問橋
一青窈つながりで
言問橋(ことといばし)。
東京スカイツリーに登った人が
増えていますね。
東京観光でスカイツリーに登った人は
ついでに浅草寺にも行くのでしょうか。
東京スカイツリーから浅草寺
もしくは逆の区間は歩くと楽しい。
20分くらいの散歩でしょうか。
途中,隅田川が流れています。
ふつう墨田(≒隅田)区役所のたもとにある
吾妻橋をわたるのでしょう。
雷門の前の通りを
まっすぐ東にいったところにある橋です。
東に屹立するスカイツリーに注意を奪われていると
見落としますが,ちょっと川の上流をみてください。
すぐ北側に見えている橋が
言問橋。
一青窈の『一思案(ひとしあん)』
という曲のなかに出てきます。
ボクは吾妻橋をわたらず
すこし足をのばして,言問橋をわたります。
「言問(こととい)」というのは
『伊勢物語』の東下りの段に由来しています。
なほ行き行きて,武蔵の国と下つ総の国との中に
いと大きなる河あり。それを隅田河といふ。
その河のほとりにむれゐて,思ひやれば
かぎりなく遠くも来にけるかな,と,わびあへるに
渡守,「はや舟に乗れ,日も暮れぬ」と言ふに
乗りて,渡らむとするに
みな人ものわびしくて
京に思ふ人なきにしもあらず。
さるをりしも,白き鳥の,はしとあしと赤き
鴫の大きさなる,水の上に遊びつつ魚を食ふ。
京には見えぬ鳥なれば
みな人見知らず。
渡守に問ひければ
「これなむ都鳥」と言ふを聞きて
名にし負はば いざ言問はむ 都鳥
わが思ふ人は ありやなしやと
と詠めりければ
舟こぞりて泣きにけり。
この歌のなかにある「いざ言問はむ」が
「言問」の由来です。
スカイツリーの南側には『伊勢物語』の主人公
にちなんだのか,業平町がひろがっています。
言問橋をみただけで満足せずに
さらによく見てください。
川面や川縁には,ちゃんと
都鳥が浮かんだり飛んだりしています。
いまでいう
ユリカモメです。
新橋からお台場へいくときに乗る
あの乗り物じゃないですよ。
すごいですねぇ。
平安時代からずっとつづく風景なわけですよ。
この段はやはり,きのうにひきつづき
遠距離恋愛の話なわけです。
都鳥をみかけたら
言問うてみてください。
わが思ふ人は
ありやなしやと。
ただし,初恋中の女性は
言問橋をわたらないほうがいいかも。
『一思案』の歌詞によると
娘が言問橋で初恋を落としてしまったそうですから。
(天満宮の太鼓橋
みたいなものかな?)
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