2012年10月17日水曜日

フェルメールの大きさ






九州国立博物館で,フェルメールの
「真珠の首飾りの女」を展示しています(特別展)。

知人の母上がいった感想が
「ちょっと小さかった。」のだそう。

フェルメールのために
弁解を一言。

画が小さかったのは,かれが17世紀
オランダの画家ゆえ,やむをえないんですね。

それまでは,絵画のパトロンといえば
教会や王侯。

飾る場所といえば
寺院や王宮。

関心事(テーマ)といえば
神や神話。

お金もふんだんにあるし
場所も広い,テーマもおおきい。

というわけで
大作が多かったんですね。

それが,17世紀オランダとなると
パトロンは商人たち。

長崎出島に貿易船を派遣した人たち
もいたかも。

教会や王侯にくらべれば
資金規模がちいさい。

飾る場所も,家庭の居間や食堂
(フェルメールが描いたような)。

テーマも
市民的,日常的。

カトリックではなく
プロテスタント。

どうしても
小さくて静謐な絵にならざるをえません。

というわけなんです。
でも,偉大な画家であることは間違いありません。

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