2012年10月10日水曜日

『新しい生物学の教科書』






今年のノーベル医学生理学賞受賞を
京大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授(50)が受賞。

きなくさいニュースがおおかったなか
ひさしぶりの明るいニュースですね。

たまたまですが,池田清彦教授の
『新しい生物学の教科書』(新潮文庫)を読んでいるところでした。

ボクの大学時代の記憶では(あまりアテにならないが)
科学といえば物理学でした。

でも,いまや科学といえば生物学
(なのかな?)

どこまで理解できたのかは?ですが
とてもスリリングでおもしろく読みました。

生物学がこれほどスリリングになったのは
やはり遺伝子の解析ができるようになったことがおおきいのでしょうね。

池田教授のお立場は構造主義生物学
まるで刑法の教科書のように体系的です。

進化についても,遺伝子のランダムな組み換えによるものではなく
ルール(構造)の変化によるものと考える立場です(たぶん)。

そのような立場から,
種とは何か?

遺伝と変異
減数分裂

性の決定
進化のしくみ

生命の起源と初期の進化
脳と心…

といった生物学上の論点(難問)を
こ気味よく解明・推理していかれます。

あわせて,検定教科書が記述を簡単にしようとして逆に
理解をむずかしくしているという批判もなさっています。

ボクも受験期,覚える量を減らして
暗記に走っていたことを反省。

無意味化した知識の断片を覚えることは苦痛でしかなく
意味のある体系を理解したほうがよほど近道。

『風姿花伝』はここでも通用し
科学としての美しさ,珍しさ,楽しさこそ「花」なんですね。

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