2012年10月30日火曜日

『BOOK OF THE DEAD』






古代エジプト展@大英博物館
みてきました。

こんかいの目玉は
『死者の書』。

ちょっとジミかなと思いながら行ったら
これがめっぽう面白かったです。

簡単にいうと
「死後の世界」のガイド本。

死後の世界=冥界には
ヘビやワニなどの敵や苦難がいっぱい。

これらをやつけたり,やりすごしたりする
呪文やアイテムが満載。

まるでドラクエの「冒険の書」
あるいは攻略本のよう。

なぜこのような書が書かれたのか?
おそらく…。

国王:ヒトは死んだらどうなる?
神官A:そ,それは…。

国王:そちはクビじゃ!
神官A:ぎゃー。

国王:ヒトはしんだらどうなる?
神官B:そ,それは…冥界にまいります。

国王:ほう?して,冥界ではどうすればいい?
神官B:そ,それは…。

国王:そちもクビじゃ!
神官B:ぎゃー。

国王:して,冥界ではどうすればいい?
神官C:さすれば,かくかくしかじか…すればよいのです。

国王:おお,そうか!
では,それを書にしてまいれ。

…といったような成立事情が
あったと思われます。(ほんまかいな?)

エジプトの死生観,宗教観は
キリスト教のご先祖さまなのでしょう。

煉獄,10戒や最後の審判の
プロトタイプと思える考えがいっぱい。

『死者の書』に導かれて冥界を旅していると
まるでバージルの案内で煉獄,地獄を旅する『神曲』そっくり。

ただし,10戒に相当するのは46戒?
あまりに反省することが多すぎて覚えきれません。

これが10戒になったのは
宗教が大衆化するにしたがい簡略化されたのでしょう。

ちょうど浄土真宗が南無阿弥陀仏さえ唱えれば
悪人でも極楽にいけるようになったように。

最後の審判はミケランジェロのように劇的ではなく
ちゃんと秤で心の重さをはかって判定します。

これはギリシャ・ローマ神話の
正義の女神にちかいかな?

福岡市美術館で
11月25日まで。

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