2011年11月28日月曜日

嫡出否認の訴え



 赤ちゃんはかわいい。
 自分の子はもちろん、他人の子も。

 他人の赤ちゃんを評するときは
 「お父さんにそっくり。」と言うようにしています。

 産院でとりちがえでもおきないかぎり
 母子関係に疑いが生ずることはありません。

 でもわれわれのような仕事をしていると
 父子関係に疑いが生ずることはときにあります。

 なので、あまり似てなくても
 「お父さんにそっくり。」と評するほうが安全です。

 結婚(婚姻)の有無とは関係なく
 父子関係は発生します。

 結婚している男女から生まれた子が嫡出子(婚内子)
 そうでない子が非嫡出子(婚外子)。
 
 父子関係が認められると
 扶養義務が発生したり、相続が発生したりと大ごとです。

 結婚していないときの父子関係の発生には
 認知が必要になります。

 逆に、妻が婚姻中に懐胎した子は
 夫の子と推定されています。

 婚姻の成立の日から200日を経過した後、または婚姻終了の日から
 300日以内に生まれた子は婚姻中に懐胎したものと推定されています。

 この推定された嫡出子は
 嫡出否認の訴えによってのみ覆すことができます。

 今回ご依頼があったのは、前妻が産んだ子が自分の子となっているが
 自分の子ではない!という事件。

 事情を聴くと、子が生まれたのは離婚届けから300日以内だが
 その1年以上前から別居していて、自分の子ではありえないとのこと。

 一応、家族の問題なので
 家庭裁判所に調停を申し立てました。

 さいわい元妻も事情を認めたことから
 急遽、審判に切りかえ、嫡出否認の訴えが認められました。

 親族に関する事件は、単なる財産関係の事件と異なり
 他人の人生に関与したという独特な余韻が残ります。

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