2011年4月13日水曜日

 契約締結上の過失責任


 施主さんからある工事の依頼を受け
 これに必要な設備を購入するなどしていたところ中止。 

 発注書がいまだつくられていなかったため
 施主さんは契約の成立を否認しました。

 依頼者は、契約成立による利益はともかく
 購入済みの設備代は施主さんにみてもらいたいとの立場でした。

 当方まずは、発注書はないものの、図面、見積りなどから
 契約の成立はあったと主張しました。

 つぎに、主張したのが契約締結上の過失責任という考えです。
 信義誠実の原則からくるもの。

 契約の締結に至るまでの段階であっても
 責めを負うべき当事者は損害を賠償すべきという考えです。

 双方、契約成立を前提とするやりとりがあった
 いや、なかったとの主張をたたかわせました。

 しかし、結局、施主さんが譲歩されて
 設備をひきとられる形で円満解決しました。

 民法の基本原則は「約束は守ろう」ですが、約束までいかずとも
 信頼関係が深く形成されれば裏切れなくなります。
 

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