怪鳥会夏遠征4日目は金峰山(きんぷさん)をめざした。標高2599m。山梨県と長野県の県境に位置する百名山。奥秩父の山並みの一角である。初日、昇仙峡からみた山容の美しさに登ることを決めた。
この山に登るのは2回目だ。1回目は秋に、長野県側から登り、山頂近くの金峰山小屋に宿泊して、瑞牆山のほうへ下った。今回は猛暑の夏であり、小屋予約もできないことから、できるだけ楽に登れるよう大弛峠から山頂をめざした。
大弛峠は標高2365m。日本で最高所にある車道峠である。つまり、ここまでは自動車でいける。山頂まで残る標高差はわずか234m。ただし、手前に朝日岳など2つの小ピークがあり、累積標高差はもうすこしある。
とはいえ、気持ちのよい稜線歩きだ。樹間からは富士山が望める。すでに積乱雲が発達しつつある。東側は隠れてしまっている。
途中、展望のよいところで休憩。小屋から縦走してきた人たちと行き違う。
向こうに望むは、やはり奥秩父山塊の一角である甲武信岳(こぶしだけ)だろう。名前のとおり甲州、武州、信州の三国堺である。
この日湿度が高く、天気はめまぐるしく変化した。
前方に金峰山頂と五丈岩が見えてきた。
五丈岩。金峰山は古くから信仰の対象とされ、修験道場である。古来、この岩積みをみた人々は人智を超えた神のみわざを感じてきたのである。
五丈岩では一瞬の晴れ間が広がった。やはり日ごろの行いか。
と思いきや、遠くで雷鳴が響きだした。あわてて下山を開始した。山上の雷ほど怖いものはない。神のみわざも五丈岩までにしてほしい。
下りではまたシカの群れに遭遇した。神の使いか、これも人慣れしている。近くでの撮影に応じてくれた。
大弛峠に帰り着くや否や、ザーッと降ってきた。危ない、危ない。びしょ濡れになるところだった。
かくて怪鳥会夏遠征は無事終了した。落石による林道不通で北岳はあきらめざるをえなかったものの、そこからのリカバーとしてはまずまず楽しい山行だった。
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