2025年2月2日日曜日

春日市黒塗り行政を正す訴訟 その後・・・

「国民が情報を持たず、またそれを獲得する手段を持たぬ国民の政治は、道化芝居の序幕か悲劇の序幕であり、或いはその双方以外の何ものでもない。」


先日(1月30日)、森友学園に関する財務省の決算文書の改ざんに関連する文書開示の裁判で、大阪高裁は、文書の存否さえ明らかにせず不開示とした国の決定の違法性を認めた。情報の公開は民主主義の基盤である。


ところで、先日このブログでも浦田弁護士が紹介していた春日市の情報公開訴訟。福岡地裁が春日市に対して情報非開示決定の取消しを命じた判決は、春日市の控訴なく確定した。訴訟の概要は、浦田弁護士のブログを参照されたい。

ちくし法律事務所ブログ: 春日市黒塗り行政を正す訴訟(勝訴)情報公開請求訴訟


確定からまもなく1か月になる。が、いっこうに春日市からの情報公開はない。原告本人に改めて通知し直すそうだ。


以前、当事務所が太宰府市に対して情報公開請求訴訟をした際は、福岡地裁の判決を受けて、控訴期限内である9日後には市長が会見。すみやかに文書が開示された。

令和4年4月8日楠田市長臨時記者会見 - 福岡県太宰府市公式ホームページ


自治体によって、かくも対応が違うものなのか。


聞くところによると、春日市は、今回の判決について、市がすでに取り組んでいる情報公開の方向性と実態に即した司法判断がなされた、と市議会に報告したそうだ。


はて?


今回の訴訟は、春日市の指定管理者の令和3年度収支報告書と令和4年度の収支計画書の支出項目の内訳の開示を求めるもの。ただ、春日市は、令和4年度収支報告書以降の分については、判決を待たずに情報を開示する運用に切り替えていた。上記の報告は、どうやらこのことを言っているらしい。


はて?


もとはといえば、令和2年度の収支計画書までは、黒塗りなど一切なかった。それを黒塗りに切り替えたのが違法だと提訴されたのが今回の裁判である。春日市の運用は、市政の前進ではない。3歩下がって2歩進んだだけなのだ。それに輪をかけて、確定判決に従った情報公開の対応のこの遅さである。


冒頭の言は、第4代アメリカ合衆国大統領のジェームズ・マディソンのものだそうだ。

確定判決後の春日市の対応が、春日市の道化芝居か、春日市民の悲劇の序幕にならないことを祈るほかあるまい。


富永


 


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