テレビがつまらない。しかたなしにNetflixを見る夜が増えている。先日、映画「ドライブ・マイ・カー」(2021年)をみた。
(以下、ネタバレあり)
西島秀俊が主演。俳優・舞台演出家の家福を演じている。その妻・音は霧島れいか。夫婦は子どもを失い、家福はさらに妻を2重に失う。そこからの回復や気づきを描く。
家福は緑内障を患い、自分では愛車サーブの運転ができなくなってしまう。そのため、渡利みさき(三浦透子)に運転を委ねることになる。まさにドライブ・マイ・カー。
自然と、みさきと会話をしたり、みさきの過去を知ることになる。そうした交流を通じて、先にみた家福自身の傷が別の視点から見直されることになる。
ドライブ・マイ・カーは、もとはビートルズのヒットソングである(1965年。歌詞を知っていれば、ストーリー展開を予想することができる)。
その曲に依拠して(たぶん)、村上春樹が2014年に短編小説化している。『女のいない男たち』という短篇集の冒頭の短篇だ。
映画は、同じ短篇集のなかの「シェエラザード」や「木野」のストーリーも取り込んでいる。
さらにチェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』も重要な役割を果たしている。チェーホフの戯曲を演じていると、自己の内面をさらけだすことになってしまうのだそうだ(俳優・舞台演出家の家福談)。おそろしい。
映画はカンヌ国際映画祭などで高い評価を得ている。
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