2023年5月11日木曜日

六甲山全山縦走(3)と阪急電車

 





 連休中の休筆が長かったけれども、六甲山全山縦走のつづき。

3日目(最終日)の出発点は記念碑台。六甲山を開発したイギリス人であるアーサー・ヘスケス・グルームの記念碑がある。彼はグラバー商会の出張員。グラバー商会は長崎だけでなく神戸でも活動していたのだろう。

鵯越駅から記念碑台までは、前日(2日目)、わが会の精鋭2名が雨のなか縦走を続けた。そこで、われわれはきょう、ここから縦走を続けることができたわけだ。

標高795.6mの山の上なれど、三ノ宮からはタクシーで行ける。サンセットドライブウェイ、サンライズドライブウェイおよび裏六甲ドライブウェイという各道が集結する交通の要衝なのだから。

まず北に向けて出発。すぐに右折しなければならないが、満開の桜に気をとられて道標を見逃しそうになる。六甲山上は、クモの巣状に登山道が発達しているため、うかうかしていると全山縦走路をはずしそうになる。登山道なのに小学校やゴルフコースの横を通過するので、山行としてはやや興ざめ。

だが、六甲全山縦走路の醍醐味は別にある。ほどなくしてガーデンテラスに着く。そこから右手・南側には大阪湾の絶景が広がっていた(1枚目の写真)。写真でははっきりしないが、関空もみえた。海遊館やUSJも見えるはずだが、どれだろう?

さらに登りくだりを繰り返して最高峰に到達する(2枚目の写真)。※「2枚目の写真」とは、あくまで写真の順序のことを言っている。それほど自信家ではない。後ろは有馬方面。有馬温泉に入りたかったが、こんかいは断念。

これまで歩いてきた方向を振り返れば、なだらかな山並みだ(3枚目の写真)。写真でみるとほんとうになだらか。しかし歩くとなると、けっこうなアップダウンがあることを覚悟されたい。

そのあたりから、大阪平野の展望が開ける(4枚目の写真)。淀川が流れている。その向こうには、阿倍野のあべのハルカスや、梅田のビル街を望むことができた。大阪城も見えるはずだが、同定することはできなかった。

最高峰からは当然のことながら下りになる。山行中、とにかくウグイスが近くで鳴いていた。ウグイスにはテリトリーがあるというから、全山で30羽ほどはいた計算になる。花もミツバツツジほか、アセビが咲き誇っていた。

途中、西宮消防署の山火事防止の看板がでてくる。そこらあたりからは、右手に阪神競馬場が見えたり、羽田空港を発着する飛行機の音が聞こえてきたりする。

そうしてようやくゴールの宝塚だ(5枚目の写真)。武庫川のむこうがわに、歌劇場が見えていた。阪急の駅前には男(もちろん、正確には男役)女が踊っている銅像がある。その前でポーズをとって写真を撮ったのだが、恥ずかしくて見せられない。

宝塚からは新大阪にでたほうが近いと思うが、ロッカーに荷物を預けていたので新神戸に戻る。つまり、阪急今津線に乗った。これだけでピンと来た人はそうとうな読書家だ。あるいは、映画ファンだ。

今津線は、西宮北口(ここで乗り換えて、三ノ宮方面へ向かう。)を経て、今津まで延びている。片道15分、全8駅のミニ区間。しかし、そこは有川浩の小説『阪急電車』の舞台になっている。

https://www.amazon.co.jp/%E9%98%AA%E6%80%A5%E9%9B%BB%E8%BB%8A-%E5%B9%BB%E5%86%AC%E8%88%8E%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%9C%89%E5%B7%9D-%E6%B5%A9/dp/4344415132

『阪急電車』は映画になっている。

https://eiga.com/movie/55680/

キャストは、中谷美紀、戸田恵梨香、有村架純、芦田愛菜、南果歩、宮本信子。中谷美紀のウェディングドレス姿で思い出す人も多いだろう。

などと小説や映画の内容を反芻しながら、家路についたのだった。

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