2023年5月18日木曜日

残雪の槍ヶ岳(4)

 







 3日目。いよいよ槍ヶ岳をめざす。

横尾からは道は3つに分かれる。左に梓川を渡れば穂高方面、右に斜面を登れば蝶ヶ岳、まっすぐ梓川沿いに進めば槍ヶ岳である。

横尾から先、梓川を挟んで、氷河がけずったV字谷となる。槍沢である。槍沢の谷を進むと、ときどき前山越や樹木越に槍の穂先が見える(1枚目の写真)。

さいしょはオオシラビソなどの針葉樹林帯である。が、しばらく進むと森林限界となる。森林限界から先は、寒さに強い針葉樹でさえ生存できない厳しい世界である。

森林限界というもそこから先、樹木がまったく生育できないのかというとそうでもない。ダケカンバ(岳樺)ががんばっている。落葉広葉樹であり、この時期まだ葉を落としている。

雪の影響を受けつつもリズミカルに並んでいたり(2枚目の写真)、青空をバックに美しい樹影をこしらえたりしている(3枚目の写真)。心おどる。

槍沢のキャンプ地あたりになると、梓川は伏流し、残雪の下にかくれてしまう(4枚目の写真)。前を行くのは槍沢ロッジのスタッフ。毎日のように雪面の状況が変化するので、道しるべとなる旗の位置を微調整してくださっている。

他のコースとちがい、V字谷の底を行くので、(少なくとも晴れていれば)大きな道迷いはない。しかし、雪渓を踏み抜いて梓川に落ちてしまったりしたらたいへんだ。また雪崩も危険。両側にデブリ(雪崩の跡)が堆積している。これら危険がもっとも少ないと思われるルートに旗が立てられている。

大曲という谷が大きく湾曲しているところをすぎると、穂先に向かって急登の連続となる。正念場だ。

グリーンバンドをすぎると槍の穂先が見えてくる(5、6枚目の写真)。雪と岩のコントラストはもちろんだが、空の青の深さ、雲の白のまばゆさが美しい(是非、写真をクリックして拡大して見て欲しい。)。ことしも来ることができた。すべのことに感謝、感謝。

0 件のコメント:

コメントを投稿