『黄金の騎士団』につづき
井上ひさし氏の遺作。
『グロウブ号の冒険』
(岩波書店)。
井上ひさし氏といえば,子どものころの
『ひょっこりひょうたん島』からお世話に。
これもまた『ひょっこり』とおなじく
ユートピア小説の系譜に属しています。
うっかり読み飛ばすと
楽しいだけに終わってしまいます。
巻末の小森陽一氏の解説を読むと
自分の読みがいかに表層的であったかを痛感させられます。
トマスモアの『ユートピア』は
いうにおよばず
スティーブンソンの『宝島』から
ジョニー・デップの『パイレーツ・オブ・カリビアン』まで
古今東西の作品を踏まえ
本作の豊富な世界が重層的に読み解かれています。
やはり未完。
結末は自分で想像するしかありません。
小森解説はこの点についても
かなり親切なヒントを与えてくれています。
う~ん。『黄金の騎士団』も
もういっぺん読む必要がありそうです。
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