2012年9月25日火曜日

『謡曲・狂言』



能は,豊臣秀吉がパトロンとして
保護したことがきっかけで近世に隆盛したらしい。

信長につかえ,ひとたらしの天才といわれた秀吉こそ
人の表情のかすかな動きを読みとる芸のパトロンとしてふさわしい。


「能のかたち」展がおもしろかったので
博物館の売店で,関連本を買い,読みました。

例の「ビギナーズ・クラッシックス 日本の古典」シリーズの
網本尚子編・『謡曲・狂言』(角川文庫)。

謡曲として
『高砂』 初番目物(脇能)

『敦盛』 二番目物(修羅物)
『井筒』 三番目物(鬘物)

『隅田川』 四番目物(雑物)
『鵺』 五番目物(切能)

以上5作品が収められています。
初番から五番目まで,この順に演じられるらしい。

初番目物を序曲と考えれば
起承転結,交響曲の構成に似ています。

やはり人間を飽きさせず
舞台に引きつける工夫なのでしょうね。

『高砂』は結婚式でおなじみ
高砂と住吉の松の精の仲良くおめでたいお話。

『敦盛』は平家物語の有名な段
『井筒』は伊勢物語に材をとられています。

『隅田川』も伊勢物語の
例の都鳥の話をベースにしています。

『鵺』は,ご存知
源頼政の鵺退治の話です。

いずれもおなじみの話なので
さっと読めました。

修習生時代にいちど
国立劇場に連れていかれ,能を観ました。

当時,歌舞伎は楽しめたけれど
能はさっぱり(寝てしまいました)。

その後も,歌舞伎については博多座に
ご招待を受けたりして,観劇の機会がありました。

でも能はそのまんまに。
今回を機にいちど観劇してみたくなりました。

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