(中央手前が焼岳、後ろが乗鞍岳)
キンモクセイが香っています。
高校時代の彼女との初デートがいまの季節でした。
キンモクセイが香ると当時の情景が浮かびます。
国語の授業中、その気持ちを表現したりしました。
先生からはたくさん文章を書くよう指導されました。
気持ちがからまわりして伝える力が不足していました。
ま、いまから考えると赤面ものです。
若いというのは恐ろしいことです。
ただ通勤電車中の高校生たちを見ても
そんなもんかなとも思います。
「マークスの山」の流れで、いま高村薫さんの
「レディ・ジョーカー(下巻)」(新潮文庫)を読んでいます。
ビール会社恐喝犯たちに、合田刑事がいつものように
組織の論理にしばられながら、静かな怒りを燃やしつつ挑んでいます。
その際、合田は犯人の生きる世界と自分の生きる世界を対比させます。
どちらが人間として豊かなのか?
合田はおもうように進まぬ捜査のあいま、心に開いた穴を埋めるため
バイオリンを弾き、読書をします。
代わりに、時間があれば、学生時代に読んだ古い本を手当たり次第に
引っ張り出しては読み耽ることをやっていたが、
現実の生活や仕事への実感を失ってしまったあとに開いた穴を
活字で埋めていかなければ、一秒もじっとしていられなかった。
そうして7月には『ブッデンブローク家の人々』と『ユリシーズ』と
『大菩薩峠』を読み、
8月は『カラマーゾフの兄弟』『ジャン・クリストフ』『チボー家の
人々』と続いてきて、いまは5巻目の3分の2まで来たところだった。
このラインナップをみただけで
合田刑事といちど話をしてみたいという気になります。
「ファイト!」「いっぱーつ!」による交情とは
ちがう種類のものでしょうが。
最近ちょっと気になるのは
若い弁護士たちがあまり読書をしていないことです。
若いときに、上記ラインナップのうち
半分は読んでいてほしい気がします。
やはり若いころから本を読んできた人間のほうが好ましいな
と思うきょうこのごろです。
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