2026年1月27日火曜日

年末の山旅(7)小諸城址と『千曲川のスケッチ』

 

 ダボスから上田に戻り、しなの鉄道線で4駅東へ乗ると小諸に着く。その日は小諸に泊まった。小諸は上田からするとずっと田舎で、コンビニまでホテルから暗い夜道を10分ほど歩かなくてはならなかった。

 翌29日朝、バスの時刻まで1時間余あったので、ホテル横にあった小諸城址(懐古園)を散策した。日本百名城。信州まで山登りにきているわけであるが、同時に、にわか鉄ちゃんになったり、隠れた名湯ファンになったり、百名城マニアになったりと忙しい。

 写真は大手門。穴城と呼ばれ、市街地や鉄道より下に大手門がある。



 二の丸からは、北東に浅間山をのぞむことができた。中央背後の白い山。手前は剣ヶ峰。右手のほうが軽井沢である。


 懐古神社。


 神社のなかに、なぜか噴水。寒さに飛沫が氷っている。


 城の南西側は千曲川が流れている。つまり、小諸城は浅間山と千曲川の地形を天然の要害としている。


 1899年、島崎藤村は小諸義塾の教師として小諸に赴任した。春から冬へ移行する小諸と千曲川流域の自然と人情を写生するように書いたのが『千曲川のスケッチ』である。

 千曲川が武州、信州、甲州境にある甲武信ヶ岳に発し、八ヶ岳東麓を北上し、浅間山の麓の佐久平で西へ流れを変え、小諸や上田盆地を通って、川中島、長野盆地へ、そして奥信濃の飯山方面まで流れて行くさまが地元の人々との交流をまじえて美しく描かれている。

 藤村はこの作品を機に詩文から散文へ転換し、『破戒』などの作品を書くようになった。文字どおり、懐古するにはよい場所である。

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