2017年12月7日木曜日

薬害C型肝炎九州訴訟・弁護団会議と忘年会(福岡市内で)


            (宝厳院の紅葉)

 薬害C型肝炎九州訴訟の原告団世話人会,弁護団会議と忘年会がありました。

 薬害C型肝炎訴訟は,フィブリノゲン製剤と血液凝固第9因子製剤(クリスマシン)の投与によってC型肝炎に感染させられた原告たちが国と製薬会社に対し損害賠償を請求した訴訟です。仙台,東京,名古屋,大阪,そして福岡地裁の全国5地裁でたたかわれ,私は福岡訴訟弁護団の共同代表でした。

 2002年に提訴し,2008年1月11日,福田総裁の指示で「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」が成立し,15日,厚生労働大臣と原告団・弁護団との間で基本合意書が締結されて一応の解決をみました。

 はやいもので来月には上記解決10周年を迎えます。基本合意は,個別救済,恒久対策,再発防止の3本柱よりなり,これを担保するため毎年,厚生労働大臣交渉をおこないます。
(個別救済)
 上記薬剤を投与したとの証明,C型肝炎に感染したとの証明,その間の因果関係を証明しさえすれば,責任論を議論することなく救済されることになります。
 しかしながら,1985年前後の投与,あるいは,それより以前の投与が多く,多くの産院ではカルテが破棄され,多くの感染者の感染経路が不明なままでした。原告団・弁護団では厚生労働省に投与病院を訪問してもらい,カルテ調査を督励してもらっています。これにより,一人でも多くの被害者が救済されるよう図っています。
(恒久対策)
 恒久対策は,肝炎治療体制及びこれに関する社会保障の充実を求めるものです。上記解決をきっかけにこれらの諸制度の整備が進み,感染被害者にとどまらず,200万人といわれる多くの感染者の治療や保障が前進しました。
(再発防止)
 再発防止は,2度とこのような薬害がおこらないように制度を整備することです。原告団・弁護団はしっかりとした調査権限・体制を有する第三者監視機関の設置を求めていますが,厚生労働省の対応は鈍く,いまだ実現にはいたっていません。

 10周年は節目でもあるので,来月には記念行事が予定されています。それを契機に,未解決の課題が一歩でも前進するよう努力してまいりたいと考えています。

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