2015年12月14日月曜日

法律は国会(議員)が決めたルール(顧問企業研修②)


顧問企業の従業員さんに対する研修の
つづきです(しばらくつづきます)。


法律は,人間関係のルール
とくに紛争解決のルールです。

裁判や交渉では,このルールを事案にあてはめて
紛争を解決します。

いわゆる3段論法というもの
大前提→小前提→前者の後者への,あてはめ。

法律は大前提,事案は小前提
前者を後者にあてはめることにより解決指針が導かれます。


法律は,衆議院475人,参議院242人の国会議員が
決めたルールです。

事案によっては,解決指針が不都合と思われることもあります
が,一般的にいえば,法適用の「現場」ではルール変更ができません。

裁判官も(つまり弁護士も),多少不合理だなと思っても
一般的には,法律にしばられることになります。

三権分立や民主主義の原理から導かれる結論です
裁判官が法律にしたがわないと問題です。

法律相談にこられた際,結論に納得されず
われわれと議論しようとする方がおられます。

しかし,万一その場で議論に勝ったとしても
法律が変わるわけではなく,結論は変わりません。

みなさんにとって,法律適用の結果が不都合に感じられても
基本的にはそれに従っていただくしかありません。


ただし,なにごとにも例外があるように
法律の適用にも例外があります。


法律は同種事案が100件あったとして
90件くらいはそれで妥当というルールになっています。

10件くらいの例外はあるということです。
特段の事情があるときは,例外がありえます。

最高裁判決もよく読むと,特段の事情のないかぎり
別異に解釈すべきだという判断になっています。

だから10%くらいの例外がないわけではない。ただし
なにごともそうかと思いますが,例外を言うほうがハードルが高い。

例外を言うほうが証明責任を負います。
特段の事情を証明しなければなりません。

「立証責任あるところに敗訴あり」と言われます。
例外を言う方が,「原則として」敗訴するということです。


法律のなかには古いものもあって
その条文じたいが時代にそぐわない場合もあります。

その場合は,解釈によって条文の読み替えをおこなうことがあります。
これも判例上確立されていなければ,例外を言うより高いハードルです。


これらの説明を十分に説明し,理解していただいたうえで
それでもトライアルしたい,その場合はお手伝いさせていただきます。

一般に,紛争の初期においては,だれもがかっかしているので
裁判を希望しがちです。

ですが,紛争の終期においてはクールダウンしているので
それを後悔しがちです。

先をみとおして
冷静に判断することが必要です。

どうしてもやるとなった場合,事前の予想と説明どおりに
負けたとしても,文句を言うのはなしですよ。


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