顧問企業の従業員さんに対する研修の
つづきです(しばらくつづきます)。
法律は,人間関係のルール
とくに紛争解決のルールです。
裁判や交渉では,このルールを事案にあてはめて
紛争を解決します。
いわゆる3段論法というもの
大前提→小前提→前者の後者への,あてはめ。
法律は大前提,事案は小前提
前者を後者にあてはめることにより解決指針が導かれます。
法律は,衆議院475人,参議院242人の国会議員が
決めたルールです。
事案によっては,解決指針が不都合と思われることもあります
が,一般的にいえば,法適用の「現場」ではルール変更ができません。
裁判官も(つまり弁護士も),多少不合理だなと思っても
一般的には,法律にしばられることになります。
三権分立や民主主義の原理から導かれる結論です
裁判官が法律にしたがわないと問題です。
法律相談にこられた際,結論に納得されず
われわれと議論しようとする方がおられます。
しかし,万一その場で議論に勝ったとしても
法律が変わるわけではなく,結論は変わりません。
みなさんにとって,法律適用の結果が不都合に感じられても
基本的にはそれに従っていただくしかありません。
ただし,なにごとにも例外があるように
法律の適用にも例外があります。
法律は同種事案が100件あったとして
90件くらいはそれで妥当というルールになっています。
10件くらいの例外はあるということです。
特段の事情があるときは,例外がありえます。
最高裁判決もよく読むと,特段の事情のないかぎり
別異に解釈すべきだという判断になっています。
だから10%くらいの例外がないわけではない。ただし
なにごともそうかと思いますが,例外を言うほうがハードルが高い。
例外を言うほうが証明責任を負います。
特段の事情を証明しなければなりません。
「立証責任あるところに敗訴あり」と言われます。
例外を言う方が,「原則として」敗訴するということです。
法律のなかには古いものもあって
その条文じたいが時代にそぐわない場合もあります。
その場合は,解釈によって条文の読み替えをおこなうことがあります。
これも判例上確立されていなければ,例外を言うより高いハードルです。
これらの説明を十分に説明し,理解していただいたうえで
それでもトライアルしたい,その場合はお手伝いさせていただきます。
一般に,紛争の初期においては,だれもがかっかしているので
裁判を希望しがちです。
ですが,紛争の終期においてはクールダウンしているので
それを後悔しがちです。
先をみとおして
冷静に判断することが必要です。
どうしてもやるとなった場合,事前の予想と説明どおりに
負けたとしても,文句を言うのはなしですよ。
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