(丹沢から富士山)
先日,顧問先企業の従業員さんたちに対し
研修をおこないました。
おおむね好評・・
だったと思います,お世辞を差しひいても。
法と法律にまつわる色んな話をしました。
しばらくそのときの話から。
まずは,「法は最低限の道徳である。」
いろんな意味があるでしょうが,私はこう説明しています。
社会にはたくさんの人間が暮らしています
ときには不和や争いごとが生じます。
そうした紛争を解決するルールが社会には必要で
ルールは法にかぎらず,道徳や宗教などもそうです。
そのため,道徳や宗教と法との関係が問題になります。
それに対する答えが「最低限の道徳」というわけです。
たとえば,有名な「モーゼの十戒」のうち
1~5は宗教・道徳的で,6~10は法とかぶっています。
- 主が唯一の神であること
- 偶像を作ってはならないこと(偶像崇拝の禁止)
- 神の名をみだりに唱えてはならないこと
- 安息日を守ること
- 父母を敬うこと
- 殺人をしてはいけないこと(汝、殺す無かれ)
- 姦淫をしてはいけないこと
- 盗んではいけないこと
- 偽証してはいけないこと
- 隣人の家をむさぼってはいけないこと
法は道徳や宗教とかぶることもあるけれども全部ではない
法はむしろ人間関係の最低限のルールを定めているにすぎない。
しかも,法はあまり内面に関知しない
外形的な行動さえ律することができればよいとの立場です。
これは大きくいえばわれわれの自由を守るため
日常生活の細かなこと,内面のことまで法律に干渉されないためです。
そのためではありますが,われわれが顧客から叱られることもしばしば
その要求水準に答えられないことにもなるからです。
交通事故を起こしたばあい
過失があるほうは謝罪して当然です,道徳的には。
しかし,民事事件の不法行為,損害賠償の場面では
謝罪しなかったからといって,賠償額が高くなることはまずない。
ここらへんが一般人の感覚とズレを生じることになる
でも法は「最低限の道徳」だから,やむをえないんですねぇ。
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