2024年9月5日木曜日

大雪山・旭岳~トムラウシ山縦走(16)

 

 化雲岳登りのつづき。遠くからは小さなピークと思えるが、近づくにつれ高くなっていく。大雪山の広大さがなせるマジックか、疲れのせいか。


 ようやく化雲岳の山頂だ。標高1954.5m。発音はカウンダケではなく、正確にはクワウンダケだ。なぜなら、山名が当山を源流とするクワンナイ川に由来するからだ。クワウンナイとはアイヌ語で、「杖・川」で、杖が必要な険阻な川の意らしい。


 北を望むと、化雲沢川が削った谷が深く刻まれ、その向こうに旭岳をはじめとする大雪の山々が美しい。右手には忠別岳だ。旭岳温泉~旭岳~北海岳~白雲岳~忠別岳~五色岳をめぐって化雲岳に到達したということは、つまり、旭岳の左下からこの大きな谷を時計回りにぐるっと歩いてきたことになる。


 南を望むと、トムラウシ山だ。明日はあの頂にたたなければならない。こうしてみると、なだらかで楽勝な印象。だがそうではない。岩ゴロゴロの登り下りが待ち構えている。

 山頂でしばらく休憩。いつまでも広大な景色にひたっていたいが、目的地のヒサゴ沼避難小屋まであとすこし。しかも下りのみだ。がんばろう。


 くだっていくと、お花畑が広がっていた。神々が遊ぶ庭だ。


 チングルマの群落だ。


 振り返ると、化雲岳のピークが見えていた。


 さらに下ると大きな雪渓。その向こうにヒサゴ沼が見えはじめた。


 ことしは雪がすくない。例年だとこのあたりは雪渓に覆われているが、もう木道が露出している。アイゼンが故障していたので心配したが、おかげで難なくくだることができた。


 ヒサゴ沼についた。美しい。ヒサゴ沼というぐらいだから、上からみるとヒョウタンの形をしている。


 避難小屋、山中2日目のきょうはここで宿泊だ。大自然の脅威から守ってくれるシェルター、ほっとした。


 振り返ると、沼が美しく輝いていた。キャンプをしている人もいる。さあ水場までいって水汲みをして、夕飯のしたくをしよう。

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