2024年9月3日火曜日

大雪山・旭岳~トムラウシ山縦走(14)

 

 忠別岳から次にめざすは五色岳である。忠別岳の南斜面をまずは西へくだる。そこはハクサンイチゲのお花畑だった。気分があがる。疲れがふっとんだ。


 登山道は南へ方向を変える。するとお花畑の向こうにトムラウシ山が姿をあらわした。だいぶん近づいてきた。


 ・・・ように思えた。

 さらに坂を下る。トムラウシ山の手前に、その前衛である五色岳~化雲岳の連なりがせりあがってきた。大雪の神々はトムラウシ山に登ることを簡単には許してくれない。


 振り返ると、忠別岳とその東断崖がそそりたっていた。あの山頂からはや、ここまでくだってきた。忠別岳の向こうは旭岳だ。




 忠別岳と五色岳の鞍部にはいろんな花が咲いていた。ミヤマオグルマ、エゾイソツツジ、チングルマ。ことしは雪も花も少ないが、これだけの花々が出迎えてくれた。いちど登ったら病みつきになるゆえんである。


 鞍部(山と山の間の低い部分、峠があることが多い)からみた五色岳。楽に登れそうだが、疲れた体にはそうでもない。

 ここの左手をくだっていくと、大きな雪渓の先に忠別岳避難小屋がある。むかし北海道百名山コンプリートまであと2座というおじさんとご一緒したことがある。


 鞍部からみた化雲岳。左方の五色岳からほぼ稜線沿いに行くことになる。雪渓と緑のコントラストが美しい。遠くから見るだけならそれでよいのだが・・・


 きょう3座目のピーク、五色岳についた。

 頂上で5色ならぬ5人のご婦人がたのグループと出会った。2人のガイド・歩荷が同道している。ご婦人がたは関東から来た人そうで、東側にある大沼から上がってきたという。向かう先は同じ、ヒサゴ沼の避難小屋だろう。たすかった。ここから先、至近距離でヒグマに遭遇したことがあるので、ビクビクしていたのだ。これだけにぎやかなグループが通れば、ヒグマも退散するだろう。

 五色岳山頂からこれまで歩いてきた方向、北を望む。やや右手に忠別岳のピーク、その向こうに大雪の山々、いちばん左のピークが旭岳だ。思えば遠くへ来たもんだ。

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