忠別岳から次にめざすは五色岳である。忠別岳の南斜面をまずは西へくだる。そこはハクサンイチゲのお花畑だった。気分があがる。疲れがふっとんだ。
登山道は南へ方向を変える。するとお花畑の向こうにトムラウシ山が姿をあらわした。だいぶん近づいてきた。
・・・ように思えた。
さらに坂を下る。トムラウシ山の手前に、その前衛である五色岳~化雲岳の連なりがせりあがってきた。大雪の神々はトムラウシ山に登ることを簡単には許してくれない。
振り返ると、忠別岳とその東断崖がそそりたっていた。あの山頂からはや、ここまでくだってきた。忠別岳の向こうは旭岳だ。
忠別岳と五色岳の鞍部にはいろんな花が咲いていた。ミヤマオグルマ、エゾイソツツジ、チングルマ。ことしは雪も花も少ないが、これだけの花々が出迎えてくれた。いちど登ったら病みつきになるゆえんである。
鞍部(山と山の間の低い部分、峠があることが多い)からみた五色岳。楽に登れそうだが、疲れた体にはそうでもない。
ここの左手をくだっていくと、大きな雪渓の先に忠別岳避難小屋がある。むかし北海道百名山コンプリートまであと2座というおじさんとご一緒したことがある。
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