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2026年4月19日日曜日

【不動産・かわら版】その賃料、安くない?



 ★ 賃料の増額を求めたい! ★


 20年前から駅前の店舗を賃料月額80万円で貸しています。


 建物が古くなって修繕費がかさむようになり、敷地の固定資産評価額も上がって税負担も増え、利回りが悪化しています。


 賃料の増額をお願いすることはできないでしょうか。


 福岡県は、2024年の地価上昇率が全国1位、2025年も東京都、沖縄県に次いで全国3位と地価が上昇しています。


 地価上昇や物価高などもあり、賃料増額の紛争も増えている印象です。


 賃貸人は、借地借家法上、契約後の事情の変更によって賃料が不相当になった場合に、賃料増額請求をすることができます。


 ポイントは、契約後の事情の変更が必要、ということです。契約当初から近隣相場より低く賃料額が決められていた場合は、「相場より低い」というだけでは増額できません。


 また、契約書に一定期間増額しない特約がある場合もあります。


 話し合いで決まらない場合は、不動産鑑定になりますが、鑑定費用も決して安くありません。賃料が高額な事業用物件であれば、それでもなお増額請求をするメリットもあるでしょう。


 うちの物件は賃料増額できないの!?お困りの場合はまずご相談ください。


富永

2022年10月28日金曜日

土地の賃貸、どの契約書?

 

 不動産屋さんからのご相談。建物を建てられない土地を資材置き場として貸そうとしているのだけれども、どの契約書を利用してよいのかわからないという。訊けば、資材を雨ざらしにしないための覆い屋や管理のためのプレハブは設置予定らしい。たしかに難問だ。

分厚い民法を一言で言えば、約束(契約)を守りましょうということ。子どものころ親から言われたとおり。だから土地の賃貸も、期間、賃料、更新の有無など契約書に記載したとおりの内容になるはず。

だけれども、近代市民法は現代的観点から修正を受けている。民法をつくったのはナポレオンである。市民革命後、国王がいなくなり、対等な市民どうしを律する法律として(市)民法がつくられた。対等な者しかいなければ、約束は守りましょうということで足りる。国家が市民の約束に介入する必要はない。

しかし、その後、産業革命が進展し、財産をもてる者ともたざる者との間に圧倒的な力の差が生じた。それを社会的な観点から是正しようとするのが現代の法律である。

土地や建物の賃貸借に関しては、借地借家法が社会的な観点から民法を修正している。簡単にいうと、店子(たなこ。借主のこと。)を保護し、家主や地主の横暴を許さぬということである。

店子を保護するということだから、借地借家法の保護の対象は建物の所有を目的とする土地の賃借権にかぎられている。では、資材を雨ざらしにしないための覆い屋や管理のためのプレハブは、ここでいう「建物」に該当するのか。また、主たる目的は資材置き場として貸すのであり、建物所有を目的とするものではない。この場合、「建物所有を目的とする」と言えるのか。

まず「建物」かどうか。撤去が容易な仮設の建物(例えば、災害の被災者用のプレハブ住宅)の場合でも、土地に定着し、屋根・周壁を有し、永続して使用でき、かつ独立的・排他的支配ができる構造を有するものであれば建物に該当するとある。他方、地面に直接丸太を立て、上方を自動車に雨がかからない程度にトタンで覆ったにすぎない掘立式の車庫は建物に当たらないとした判例がある。

つぎに「建物所有を目的とする」かどうか。自動車教習所については、借地借家法の適用を認めた最高裁判例と、これを否定した判例がある。ゴルフ練習場については、適用を否定した最高裁判例がある。駐車場についても、借地借家法の適用はないとされるものの、スーパーマケットに付属するものは建物に付属するものとして保護の対象となるとされる。

つまり、資材置き場の賃借権が借地借家法により保護されるかどうかはケースバイケースである。最高裁まで争われた裁判例がすくなくないことからも、その判断が微妙であることが分かる。貸主と借主で見解がわかれるだけでなく、裁判官によっても判断がわかれていることを示唆している。本件もどうなるかわからない。せっかく相談に来られたけれども、回答はこのようにぼやけている。

こういう場合、最初から事業用借地権とする方法がある。借地借家法の適用を前提として期間を限定しまう方法である。これをお奨めするしかなかろう。地主さんも借主さんも更新することを考えているようだけれども、背に腹は代えられない。

2010年10月25日月曜日

 花



 お花をいただきました!

 お花屋さんの立退き交渉事件。
 依頼人は土地を借りて店舗を建てて経営されていました。

 契約期間は3年とされ、10月末で期限切れ。
 地主さんから立退きを求められました。
 
 この種の紛争は不動産バブルの時代に頻発し社会問題化しました。
 地上げ屋などという穏やかならぬ人たちが悪名をとどろかせたころです。
 
 最近は不景気なこともあり数は減っています。
 でも個々の当事者にとって深刻な問題であることに変わりありません。

 一般の契約であれば「約束は守ろう」の原則にしたがう必要があります。
 しかし、建物所有を目的とする借地契約はこの例外にあたります。

 民法には典型契約として賃貸借の定めがあるところ、
 その特別法として借地借家法があります。

 民法は対等な当事者を想定し、約束の内容について自由放任主義です。
 これに対し借地借家法は経済的に弱い立場にある借主を保護する法律です。

 地主は土地を有効活用したい。
 借主は投資しお得意さまもでき生活がかかっています。
 両者の利害はまっこうから対立します。
 
 借地借家法は借地権の存続期間について原則30年と定めています。
 これより短い約束は無効。

 こういうのを片面的強行法規といいます。
 「財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。」
 憲法29条2項が定める公共の福祉による財産権の制約のひとつでしょう。

 もととなる借地法は大正デモクラシーの時代につくられました。
 近年の「自由化」のながれのなか、借主の保護は弱められつつあります。

 期間満了後に従前どおり貸借をつづけることを更新と呼びます。
 地主さんがこの更新を拒絶することは原則としてできません。

 しかし「正当の事由」があると認められる場合は例外。
 ①貸主、借主が土地の使用を必要とする事情
 ②借地に関する従前の経過
 ③土地の利用状況
 ④立退料
 この4ポイントを総合考慮して「正当の事由」の有無を裁判官が判断します。
 
 昔とちがい、立退料がポイントとなっているところが規制緩和のあらわれです。
 交渉の結果、一定の立退料を支払っていただき解決することに。

 依頼人は新天地で一から出直しをされることになりました。

 いただいたお花は蘭。
 被子植物の中では最も後に地球上に現れたのだそうです。
 
 そのため
 先行植物の隙間に進出することになり、苛酷な環境に適応。
 花は左右対称で、虫媒花の中では特異なほど効率の良い花形に変異。
 現在においてもなお急速な進化を続けているのだとか。

 新天地は楽な環境ではないでしょうが
 美しい花々を咲かせられることを切に願っています。

 ※依頼人のプライバシー保護もあり少し設定を変えています。
 困った花屋さんを助けて感謝されるという月9のようなプロットは変えていません。