2024年7月9日火曜日

新潟の旅(13)大地の芸術としての清津峡渓谷トンネル

 清津峡の渓谷美は、かつては川に沿って遊歩道から鑑賞していたようだ(おそらく写真中央から入っていく)。しかし1988年渓谷内で落石死亡事故が発生し、遊歩道は通行禁止に。

そのため1996年、安全に観光ができるように清津峡渓谷トンネルがつくられた。写真右手がその入口。

トンネルの長さは750メートル。途中には3つの見晴所、終点にはパノラマステーションがもうけられているという。


1つ目の見晴所。荒々しい柱状節理を目の当たりに。700万年前の大地の激動に思いをはせる。 


2つ目の見晴所。宇宙ステーションの艦内のよう。2018年に行われた第7回大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレで、中国出身の芸術家マ・ヤンソンがトンネル全体を作品化したのだ。



3つ目の見晴所。清津峡の荒々しい渓谷美とヤンソンの作品が不思議なとりあわせになっている。まさに大地の芸術のコンセプトどおり。



極めつけはこれ。終点にあるパノラマステーション。トンネル・オブ・ライトという作品。大地のなかに芸術と人が存在するだけでなく、芸術のなかにも大地と人が存在する作品。すばらしい。

越後妻有里山現代美術館 MonETにあった、回廊に囲まれた中央の池の水面に光が反射し、空や建物を鏡のように映しているように錯覚させる作品(レアンドロ・エルリッヒ「Palimpsest:空の色」)とも美しく響き合う。すてきすぎる。

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