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2023年6月23日金曜日

関西の旅(3)伊良湖崎

 

 伊良湖崎では、自転車をレンタルして周辺を散策した。着岸してすぐのところに道の駅があり、そこで借りることができた。電動なので(初めて乗った)、らくちん。

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まずは遊歩道をとおって岬を半周した。突端に灯台がある。外国人が多い。ハマナデシコの花が咲いていて、モンキアゲハが蜜を吸っている。その写真を撮っていた。

灯台から先は太平洋がひろがっている。さきほどフェリーで通過してきた神島も見えている。案内板があり、南方から鷹やアサギマダラが渡ってくるとの説明がなされている。

半島を半周すると恋路ヶ浜に着く。恋人たちの聖地で、プロポーズの場所として人気のスポットだそう。そうなのか!残念ながら、自分では使えそうもない知識である。

西側の岩陰ではカップルが親密そうに話をしている。プロポーズだろうか。東側の浜辺では親子連れがボール遊びをしている。その向こうにはこのあとで向かう「日出の石門(ひいのせきもん)」が見えている。

あたりは海鮮の店が並んでいる。ちょうど昼どきだったので、タコのピザを食べた。おいしい。

そこから少し山に登るかたちで戻ると、万葉歌碑がある。麻続王の歌が紹介されている。この歌については以前書いた。http://blog.chikushi-lo.jp/2023/06/blog-post_9.html

途中、フジバカマを植えているので踏まないようにと注意書きがあった。フジバカマはアサギマダラの大好物である。

さて「日出の石門」へ。恋路ヶ浜から42号線を東へ向かう。まっすぐ行くと浜松に着くようだ。それなりの坂なのだけれど、電動自転車なのでなんのことはない。

左手にオーシャンリゾートホテルがあり、このへんのはずだがと思い、坂をくだりはじめたころ、右手に降りていく道が見つかった。

坂をおりると、「椰子の実」の歌碑があった。これについても前に書いた。http://blog.chikushi-lo.jp/2023/06/blog-post_14.html

さこから先、急な階段を降りると、火曜サスペンスにつかえそうな断崖である。♪ジャンジャンジャーン~頭のなかでメロディーが鳴る。

さらに階段を降りると、「日出の石門」に着いた。なかなかの奇岩である。独特の雰囲気がある。NHK大河「どうする家康」のロケもおこなわれたらしい。

案内板が立っている。そのまま引用しよう。

 日出の石門は、とても緻密で固いチャートという堆積岩でできている。
 このチャートは、約二億年前に、放散虫の殻などの珪酸分が、はるか南方の海洋底に沈殿してできた。
 その後、太平洋プレートの移動とともに、現在の位置に運ばれてきた。
 層状に堆積したチャートは、海底地すべりや強い圧力で衝突したため変形した。うねるような褶曲や、褶曲を断ち切る断層は、過去の変動の記録でもある。
 石門の洞穴は、断層により破砕されもろくなった部分が、長い間に波の力で浸食されて、海食洞になったものである。

チャートといえば、みなさん受験期にお世話になった参考書を思い浮かべることだろう。毎日のコツコツとした努力の積み重ねが固い知識層となって、受験に合格する(はずだ)。

伊良湖崎は、とてもロマンチックなところだ。黒潮に乗って、鷹やアサギマダラが、そして椰子の実が渡ってくる。さらに、太平洋プレートの移動とともに、日出の門までが太平洋を渡ってきたのである。


2023年6月22日木曜日

関西の旅(2)神島

 

(フェリーから神島。左奥に霞んでいるのが伊良湖岬)

 関西の旅、つぎの目的地は伊良湖岬。『笈の小文』の旅で、流刑中の杜国を芭蕉が見舞い、ついでに訪れた。こんかいの旅で一番訪れたかったところ。

伊賀市駅からは伊賀鉄道で伊賀神戸まで。伊賀神戸から近鉄特急に乗り換え、鳥羽まで。鳥羽からフェリーに乗り、伊勢湾・伊良湖水道を横断。フェリーの着岸港が渥美半島の西端にある伊良湖岬。

伊賀神戸の駅舎ではツバメの夫婦が巣作りにはげんでいた。ちかくの田からくわえてきたとおぼしい泥をしきりに駅舎にへばりつけていた。

伊勢はスルー。ぜいたくな旅だ。5年ほどまえに子どもと訪れたので、よかろう。

鳥羽は50年ぶり。小学校の修学旅行で訪れたきり。小学生なのに、真珠養殖の様子を見せていただいた。せっかく教えていただいたが、真珠とは無縁の人生である。

鳥羽~伊良湖崎は地図で見ると近いが、伊勢湾フェリーで所要1時間。船旅はいい。とても旅情をかきたてられる。しかも、

ちょうど中間点に神島(古名、歌島)がある。


と、これだけ読んでピンときた人はそうとうな文学通。

神島は三島由紀夫の小説『潮騒』の舞台である。小学生のときに、文学全集で読んだ。どきどきした。とくに「その火を飛び越して来い」というところ。

以下、ほぼウィキからの受け売りであるが、とても興味深いので、紹介する。

三島は世界旅行をし、古代ギリシア熱が高まった。そして古代ギリシアの恋愛小説「ダフニスとクロエ」のプロットを生かした小説を書くことを構想。

ギリシアの神々ならぬ日本の神々の存在を意識できる場所を探し、伊勢の文化圏である神島を選んだ。三島が参考にした万葉集の歌はこれ。

 潮騒に伊良虞の島辺漕ぐ舟に妹乗るらむか荒き島廻を 柿本人麻呂

持統天皇が伊勢神宮参宮と舟遊びをかねて伊勢に旅した時、都で留守番をした人麻呂がお供の女官を想って詠んだとされる。「伊良虞」は、伊良湖岬もしくは神島のことである。

伊良虞は伊良湖岬もしくは神島のことと言われてもピンとこない。しかし、写真を見てほしい。伊勢(鳥羽)から見ると、神島も伊良湖岬も島々にしか見えない。

かくて、神々のすまう日本のエーゲ海を横断して、伊良湖岬へ向かったのだった。