(建仁寺,双龍図)
2つの離婚事件について,ひとつは判決があり,ひとつは和解が成立しました。
いちどは好きで一緒になった男女だけれど,うまくいかなくなると愛情は容易に憎悪に転化してしまいます。
「法律は家庭に入らず」の原則から,離婚事件はいきなり裁判をすることができません。まず家庭裁判所で調停という話合いをする必要があります。
調停で話がつかないときにはじめて裁判になります。裁判になっても,途中なんどか和解という話合いによる解決の試みがなされます。それでも解決できないときに判決の言い渡しがなされます。
このたび,一件については和解が成立し,一件は判決の言い渡しとなりました。どちらも夫側で関与することなりました(別に夫側専門ではなく,たまたま相談・依頼されたのが男性側だっただけです。もちろん女性側で離婚事件をすることもたくさんあります)。
一件は,新婚数か月の夫婦で,結婚式の準備をめぐって夫婦げんかが絶えず破局しました。離婚原因は夫側にあるとして慰謝料請求にこだわり,調停,裁判にいたったものです。双方の言い分と証拠をだしつくしたところで,裁判所が和解案を打診しました。慰謝料は認めず,婚姻費用の分担について,妻の離婚後の生活費を負担するとしてやや増額するという内容です。この理由なら問題ないので,当方も和解に応じることにしました。
もう一件は,夫にDVがあったかどうか,財産分与の対象となる財産にはどのようなものがあるかについて厳しく争われました。調停段階から何度か話合いによる解決が模索されましたが,双方の見解のひらきが大きく妥結にはいたりませんでした。今般,判決がなされ,概ね当方の言い分が認められました。しかし,妻側は納得せず,控訴となりました。さらに高等裁判所で裁判がつづくことになります。
双方が納得できる妥協点が早期に見つかることを願ってやみません。