2011年3月31日木曜日

 つよく、先に咲く



 英彦山は山岳信仰の霊山。山伏の修験場として
 盛時には山麓に3800余の坊舎が建ち並んでいたとか。

 明治以降は神仏分離で衰退し
 おおくは夏草や山伏たちの夢の跡に。

 銅の鳥居から奉幣殿までの石段の参道には坊舎跡が並び
 雪舟の作といわれる旧亀石坊庭園などとともに往時をしのばせます。

 参道の両側にはミツマタ(三椏)がたくさん植えられ
 いまから花の季節です。

 ジンチョウゲ科の落葉低木
 そういわれれば、沈丁花に似ています。

 多数の小花が球状に集まって花をなし
 卵形で黄色の萼片が4枚、花弁のように開いています。

 ミツマタの語源は、枝をみればわかります。
 枝が3つ又にわかれているので。

 山上のマンサクは「先ず咲く」でしたが
 山下のミツマタもほかの花より先に咲きます。

 万葉歌人はそれをサキサクと詠んでいます。

   春されば まずさきさくの まさきくあらば

            後にも逢はむ な恋ひそ吾妹(わぎも)

                       柿本人麻呂

 ミツマタ=サキサクは
 三枝(さいぐさ、さえぐさ)という姓の語源だとか。

 皮は和紙の原料
 社会科で、コウゾとともに覚えました。

 ミツマタの和紙は良質でじょうぶ、しかも虫害を受けにくいので
 お札などに利用されています。

 それゆえ花言葉は「強靱」「壮健」「永遠の愛」「肉親の絆」
 困難に遭い、強くありたいかたがたに贈ります。
 

2011年3月30日水曜日

 英彦山・中岳 



 英彦山・中岳にて

 後方は英彦山神宮上宮
 英彦山神宮の御祭神は天忍穂耳(アメノオシホミミ) 
 
 アマテラスとスサノオとの誓約の際
 スサノオがアマテラスの勾玉を譲り受けて生まれた五皇子の長男

 英彦山がもと「日子山」だったのは
 彼が日の神・天照(アマテラス)の子だから。

 天降って葦原中国を治めるようアマテラスから命令されるも
 下界は物騒だとして途中で引き返してしまう気弱な神。

 「オシホ」は多くの稲穂の意で
 稲穂の神・農業神

 「たしかに下界は物騒ですが
  困窮する東北の農家を救ってください。」
 

2011年3月29日火曜日

 まず咲く



 マンサク(満作)
 英彦山・南岳のクサリ場あたり。

 落葉小高木で、葉に先駆けて花が咲いていました。
 花弁は黄色で長さ1.5cmほどの細長いひも状です。

 造物主は偉大な芸術家ですが、マンサクについては
 遊び心がかちすぎたか幼稚園生の工作のようで、ほほえましい。

 花言葉は「霊感」「ひらめき」「直感」「神秘」
 むかし「まんさくの花」というNHK連続テレビ小説がありました。

 東北に育った油絵志望の女子高生が、受験失敗、浪人生活
 就職、失恋などの体験をとおして明るくたくましく成長していきました。
 
 このようなストーリーの着想は花言葉から来ているのでしょうか?

 名の由来は、早春に花が枝いっぱいにつく状態を豊作に例えたものとも
 早春に咲くことから東北地方で「まんず咲く」が訛ったものとも。

 マンサクが東北地方でもまず咲き
 あたたかな春をもたらしますように。
 

2011年3月28日月曜日

 英 彦 山



 27日、いつものメンバーで英彦山に登りました。
 ことし2度目の山会。

 福岡県の添田町と大分県の山国町にまたがり、標高1,200m
 岩崎元郎さんの新日本百名山、日本二百名山の一つ。

 「日子山」が嵯峨天皇の勅命により「彦山」
 霊元法皇の院宣により「英彦山」となったとか。

 羽黒山(山形県)大峰山(奈良県)とともに「日本三大修験山」
 とされる霊山。
 
 ながいあいだ聖域として尊ばれ、守られてきたため
 豊かな自然が残っています。

 豊前坊→高住神社→望雲台→北岳→中岳(昼食)→英彦山神社上宮→南岳
 →材木岩→大南神社→鬼杉→玉屋神社→奉幣殿→別所駐車場のコース

 北側斜面、谷筋にはまさかのなごり雪が残っていたものの
 南側斜面、尾根筋にはマンサクが咲き、冬と春が交錯していました。

 高住神社、英彦山神社上宮、大南神社、玉屋神社、奉幣殿では
 被災地のいちにちも早い復興を祈りました。
 

2011年3月26日土曜日

 いろいろなことがありすぎた。



  最後の期末テストは、悔いなくがんばろうと思ったがあまりにも
 いろいろなことがありすぎた。勉強していても集中力に欠けてしまう。

  教室に飾ってある“ボケ”の花。朱色がとてもきれいな花なのに
 “ボケ”なんて名がどうしてついたのだろう…なんてテスト中に
 考えてしまうんだもの。

             木藤亜也さんの「1リットルの涙」から
 

2011年3月25日金曜日

 人生をやりなおす、おまじない



 子どもが小さいころ、ドラえもんの映画を観るのが
 わが家の年中行事で、至福のときでした。

 ドラえもん映画でよくつかわれるプロットが
 タイム・トラベル。

 もともとドラえもんじしんが未来から来ているので
 ドラえもん全体がタイム・トラベルものではあるのですが。

 タイム・トラベルものは私にとって鉄板
 タイム・スリップともいいいますが、すべることがまずない設定です。

 すぐに思い浮かぶのはやはりハリウッド映画
 「猿の惑星」「ターミネーター」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」。

 最近では「きみがぼくを見つけた日(The Time Traveler's Wife)」
 が好きでした。

 日本映画では広末涼子の「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」
 何を好きこのんでバブル時代へ?という作品。

 SFの名品もおおい。「夏への扉」(ロバート・A・ハインライン)
 「マイナス・ゼロ」(広瀬正)など。

 「蒲生邸事件」(宮部みゆき)、「トムは真夜中の庭で」(F・ピアス)
 「犬夜叉」(高橋留美子)などあらゆるジャンルでおもしろい。

 なかでも一番すきなのはケン・グリムウッドの「リプレイ」
 それこそなんども読んでリプレイしました。

 北村薫さんの「スキップ」、「ターン」、「リセット」の3部作
 解説のなかで、北村さんはグリムウッドに先を越されたと嘆いています。
 
 タイムトラベルは人生をやりなおすのですから
 人生を再生する強力なおまじないです。

 しかしタイムトラベルの筋をおしていくと、いつも矛盾に横着します。
 タイムパラドックスというやつです。

 そのため、「歴史は変えられない」などいろいろな制約が科せられます。
 これが苦くて切ない。

 でも逆説的ですが、この制約がなければタイムトラベルものは
 ずっとつまらないものになったことでしょう。

 私たちにとって最初期のタイムトラベル体験は
 NHKドラマ「タイムトラベラー」です。

 1972年1月~2月の放映ですから、小学校6年の3学期
 ほんとうに衝撃的な体験で、のめりこみました。

 原作は筒井康隆さんの「時をかける少女」で
 その後、何度も映画化されています。
 
 実写では原田知世さん主演のもの
 大林宣彦監督の「尾道三部作」のひとつ。

 ちかいところで尾道出張の予定なので
 その前におさらいをしておきたいと思っています。

 アニメ版もだいすき
 原作の出来事から約20年後が舞台になっていますが。

 ところでタイム・トラベラーの大事なアイテムがラベンダー。
 いまでもラベンダーと聞いただけで、タイムトラベルしそう。
 
 ラベンダーは、シソ科の背丈の低い常緑樹
 ローズマリー、セージ、タイムなどのハーブとおなじ仲間。

 ホトケノザもシソ科ですから
 シソの仲間にもいろいろあるものです。

 花言葉は「あなたを待っています」「期待」「私に答えてください」
 「疑い」「不信」(後半はかなり待ちくたびれ?)

 実際には人生をやりなおすことはできないけれど
 読書や映画でならすこし味わうことはできます。甘くて苦いですが。
 

2011年3月24日木曜日

 再生のおまじない



 イギリスにおける再生のおまじないが4種のハーブ

  パセリ、セージ、ローズマリーandタイム♪

 なら、日本における再生のおまじないは春の七草

  セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ
  スズナ、スズシロ

 七草がゆは邪気を払い万病を除く占いとして食べますし
 パセリはセリの仲間なので。

 古くからおこなわれてきたようです。

   君がため 春の野に出て 若菜つむ

          わが衣手に 雪は降りつつ

                      光孝天皇

 日本のほうが数が多いのは日本人の7好きのせいでしょうか
 でもラッキー7ともいいますね…。

 いずれにせよ、数が多く、ラッキー7な春の七草のほうが
 効能・効果がたかそう。

 ナズナ、スズナ、スズシロはアブラナ科
 ゴギョウ、ホトケノザはキク科、ハコベラはナデシコ科。

 ナズナはぺんぺん草、ゴギョウは母子草とも呼ばれ
 スズナは蕪、スズシロは大根です。

 セリを探したものの見つからなかったので
 ナズナの写真でご勘弁。

 ナズナがペンペン草なのは実の形が三味線の撥に似ているから
 ペンペン(擬音)。
 
 花言葉は「すべてを捧げます」
 ハーブ類に負けていません(激しい)。

 後方の紫の花はホトケノザ(仏の座)
 葉が仏の蓮華座のようなので(3月15日の写真参照)。

 ただしシソ科のもので、七草のそれとは別種(ややこしい)
 花言葉は「調和」。

 原発が沈静化して、安心して七草を食べられる日が
 一日もはやくくることを願ってやみません。