法律の条文ですべて決まるんでしょ。
だから弁護士さんは全部の法律を
覚えているんでしょ。
…そんなことは決してありません。
「法律」の定義の仕方にもよりますが,
平成25年9月現在で
日本には1900弱ほどの法律があります。
関係する政令,省令等も入れると,
7000以上にのぼります。
さすがにこれを全て覚えていたら,
脳みそがもちません。
皆さんが思っている以上に
法律の決まりごとは柔らかいものです。
(もちろん厳しく決まりごとが
定められている法律もあります。)
たとえば,
民法768条は,
離婚の際の財産分与についての規定ですが,
「協議上の離婚をした者の一方は,
相手方に対して財産の分与を請求することができる。」
と書かれているだけです。
「一方」とはどちらからでもいいのか。
どんな割合で分けるのか。
いわゆる借金も半分になるのか。
土地や建物はどう分けるのか。
将来もらえる予定の退職金はどう分けるのか。
……
疑問点は尽きませんね。
こういった点について,
学者の方々が全く違った結論を主張していたり,
裁判例ですら結論が分かれたりします。
だから,
弁護士が「100%●●です」
と言えないことも多いんです。
次回は,
さきほど触れた「財産分与」について,
少しお話していきます。
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