(燕岳東面)
きのうは民事裁判の証人尋問だった。
事案は,遺産預金のなかから故人の生前の治療費を精算したところ,その精算は認めないとして,同金員の返還を求められたもの。つまり,こちら側が被告事件である(よく誤解があるが,民事の被告は訴えられた側という以上の意味はない。刑事事件のような容疑を受けているのとはちがう。)。
原告2人,被告2人の4人の尋問で計4時間の長丁場だった。
被告のうち1人はアラ70の女性。
尋問前から,頭がまっしろになって立ち往生したらどうしようと本人も心配し,当職もあやぶんでいた。
ところが,フタをあけてみると,案ずるより産むがやすし。当職の主尋問に対してしっかりした供述をされた。
問題は,つづいておこなわれる相手方弁護士による反対尋問。
これまたしっかりした受け答え。事前の心配がなんだったのかと思える充実の時間だった。
原告側の主張の要点は,上記治療費は,故人によってすでに精算されていたのではないかということ。関連して,当方が立て替えた金員の出所も争点となった。
その出所の一部がタンス預金だという当方の主張・供述に対し,相手方弁護士から追求がおこなわれた。
相弁:いったいそのタンス預金はどこに保管していたのですか?
当方:夫にわからないところに保管していました。
相弁:だから,それは具体的にはどこですか?
当方:いやです。それは教えられません。
相弁:いや,答えてください。
当方:藏です。
相弁:・・・・。
当方:冗談です。
(法廷内,爆笑)
30年以上弁護士をし,100回以上は証人尋問をしている。けれども,これほどナイスな打ち返しははじめて。
このような顧客のサポートをすることができて誇りに思った。
次回までに裁判所から和解案が示される予定である。
結果はどうあれ,当職の尋問については,顧客さまにはたいそう満足していただいた。
つかれたけれど,充実の1日であった。
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