徳澤園の外れには結界のように清流が流れている。この結界を渡ると、人界からもう一段山に足を踏み入れた気分になる。
結界の先の森に、またニホンザルの群れがいた。子ザルたちにとって冬は過酷で、命を落とす個体もいる。ようやく春を迎えたが、いまだエサが乏しいのか、あまり元気がないようだ。
登山道は森の道から河原の道に変わる。梓川に沿って北上する。豪雨時の氾濫を懸念してだろう、もう何年も河川改修工事をやっている。
横尾山荘まえ。徳澤から1時間、バスセンターから3時間。一休み。ここまでは許可車が進入可能なので、まずまずのサービスが受けられる。
ペットボトル飲料などの物価もそれほど高くない。ここから先は人力(歩荷)、あるいはヘリコプター代の運搬費が嵩むので、物価が急上昇する。
この山荘でお世話になることも多いが、きょうは早朝に出発することができたので、もう一段先へ進む。
横尾大橋。向こうは屏風をひろげたような屏風岩。左手に黄色と赤の服を着ているのは、遭難対策協議会(遭対協、もしくは長野県警)の人たち。屏風のように登山者たちを危険から守っている。
横尾はY字路になっている。左に進み、横尾大橋を渡ると涸沢・穂高連峰方面。右に進み、梓川をさらに溯上すると槍ヶ岳方面である。涸沢方面のほうが人気で、登山者の7割くらいは左に進む。
横尾から先は冬山装備がなければ、先へ進めない。うかつな装備で進もうとすると、遭対協の人に止められ、計画の中止を求められる。
前日涸沢ふきんに30センチメートルの積雪をみたということで、トレースが消え道が分からなくなっていること、雪崩の危険など厳重注意を受ける。
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