研修旅行2日目。
平山旅館から10分で勝本漁港である。沖に見えているのが若宮島。きょうの目当てである辰の島は、その西側奥である。
船は波しぶきたつ危険な海域まで接近する。船底を岩が削る音が聞こえそうな気がする。
平山旅館から10分で勝本漁港である。沖に見えているのが若宮島。きょうの目当てである辰の島は、その西側奥である。
2kmほど、30分弱。とても気持ちのよい朝だった。弁天橋で那珂川を渡る。目印となるポートタワーが見えた。
ときどきいる人柄のよい大家さんである。賃借人による家賃の滞納がもう何年もつづいている。借主本人に請求するのはよいのであるが、問題は連帯保証人に対する請求である。
過去の裁判例によると、連帯保証人に対する請求について、信義則を根拠に制限する例がみられる。相手方はその制限を主張した。
信義則による制限というのは、知らないうちに連帯保証人の責任が過大になっては気の毒であるという理由である。しかし、相手方は主債務者の両親もしくは兄弟であり、賃借時もいまもおなじ町内に居住している。知らないはずはあるまいと反論した。
また連帯保証人は賃借人の父だったのであるが、ご本人は亡くなり、妻と子2人が相続人であった。連帯保証人の責任のうち妻が1/2、子がそれぞれ1/4相続することになる。
子のうち1人は賃借人本人である。この1/4の責任については、主債務者の責任とかぶってしまう。つまり、連帯保証人の責任として追及可能なのは3/4の部分である。
残る子1人は、今般はじめて負債の存在を知ったとして相続放棄をおこなった。相続放棄は被相続人が亡くなってから3か月以内に行わなければならない。しかし3か月経過後に負債の存在を知った時は知ったときから3か月以内という特例があり、相手方はそれを主張した。
この点も親子、兄弟なのであるから、滞納賃料の存在を知らないはずはない。また父には自宅建物という遺産があり、その相続がなされているのであるから、単純承認がなされているはずだと反論した。
裁判所から和解勧告がなされ、連帯保証人の責任はほぼ半額程度で解決をみた。
賃料滞納への対処の目安としては「3か月」である。賃料が3か月滞納したときは、内容証明郵便にて催告を行い、支払いがなければ内容証明郵便で解除通知を行う。そして弁護士に賃貸物件明渡しの訴訟を依頼すべきである。そうしないと、上記のような訴訟を余儀なくされてしまうだろう。
基山も九重とおなじでややこしくて、基山町というばあいは「きやま」、山の名としては「きざん」である。
基山は佐賀県基山町と福岡県筑紫野市にまたがる県境の山。標高404.5m。白村江で唐・新羅との戦いに敗れたあと、大野城・水城とおなじくして基肄城が築かれた。もちろん大宰府の防衛拠点としてである。国の特別史跡に指定されている。
山頂部は草原になっていて、草スキーができる。
ツツジが有名なのであるが、紅葉もなかなかのものである。ただし、長い階段を登る必要がある。
寺伝によれば、聖武天皇の勅願により、行基により創建。平安時代に円仁(慈覚大師)により中興されたとの伝承あり。1530年ころの兵火により堂塔は焼失、1542年に当地を領した筑紫惟門が本堂を再建、江戸時代に入り基山が対馬藩領となると領主の宗氏により堂宇の整備がなされ、寺領を寄進した(以上、ウィキ)。
これまたウィキによれば、行基は関西で活躍したようで、九州まで来たとの記載はない。が、百済に帰化していた中国人の氏族らしいので、九州と縁がなかったわけでもあるまい。
本尊は行基の作と伝えられる十一面観世音菩薩。秘仏となっており、12年に1度の午年にのみ開扉される。直近では2014年。九州三十三観音霊場第4番札所(以上、ウィキ)。
ということは、来年開扉があるということだ。13年後に長い階段を登れるかどうか不明であるので、是非とも来年の開扉の際に再訪したい。
賃貸借契約の場合、相手方が承諾すれば終了する。合意解除と呼ばれる。本件で、Yは承諾していないと主張した。たしかに、承諾したことを裏付ける客観証拠は存在しない。
調べてみると、本件店舗ではYだけでなく、AやBも葬儀を行っているようだ。Xはこれを承諾していない。民法612条は、賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。賃借人がこれに違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。と定めている。
そこでYがAやBに葬儀場を使用させているのは、本条に違反しているので、契約を解除して白紙にする、本件店舗を返還せよと主張した。
Yは、Aは自社のアドバイザーであるから第三者ではない、Bは年に数回しか利用していないから信頼関係を破壊していないなどと主張して争った。
さらに調べてみると、Aは某市の創業事業の援助を受け、独立して葬祭業を営んでいることや、Yが身内の法人の事務局をしていることなどが判明した。
そこでAが「第三者」であるかどうかを明らかにするため、Yに対し、YとAの過去の営業状態について釈明を求め、確定申告書などの証拠の提出を求めた。
提出された資料等によると、本件店舗における営業について、ある年まではYの名義で申告されていたが、その後はAの名義で申告されていたことなどが判明した。
裁判では互いの主張事実について、書証を提出するほか、人証で立証することになる。しかし本件では上記事情が明らかになったのであるから、勝訴を確信することができ、これ以上の立証は不要であると判断した。
裁判所もおなじ心証を形成したと思われ、和解を勧告し、Yは本件店舗を退去する、Xは解決金30万円を支払うとの和解が成立した。
解除権が認められないときは営業補償を含む高額の立退料を支払わなければならないので、この程度の解決金は和解をするうえでやむを得ない。かくて一件落着。めでたし、めでたし。
飛行機の時間までしばし間がある。ミニ観光をしよう。