2025年6月26日木曜日

大丸別荘 大正亭 公開

 

 太宰府ロータリークラブの例会会場としていつもお世話になっている大丸別荘。創業160年。

 築107年の大正亭(老朽化にともない、ことし改修工事がおこなわれるという。)が初めて一般公開(無料)されているということで、例会前に駆け足で(ほんとうに走ったわけではない。)拝見した。









2025年6月25日水曜日

宇美八幡宮に初宮参り

 

 宇美八幡宮に初宮参りをおこなった。宇美八幡は安産の神様。宇美→うみ→産みだから。われわれも安産を感謝した。

 ダジャレのようだが、産みの由来は日本神話(記紀)に記述されている。神功皇后が朝鮮半島から戻り、ここで応神天皇を産んだことが由来である。

 ちなみに竈門山(宝満山)は産湯を沸かした竈門があったから。志免町はオシメを替えたから。


 文月や、いやまだ水無月か。この日は梅雨の晴れ間だった。


 湯葢の木。大きなクスである。


 社殿。かけまくもかしこき・・・。


 子安の木。槐(えんじゅ)。神功皇后が出産のときとりすがったという。


 子安の石。安産祈願のときに一石を持ち帰り、無事安産の暁にはそれをまた持ち来たって感謝する。


 天気予報は雨予報だったが、みごと晴れた。やはり降るよりは縁起がよいだろう。めでたしめでたし。

2025年6月24日火曜日

『僕には鳥の言葉がわかる』鈴木俊貴著・小学館刊

 
 
 NHK「ダーウィンが来た!」だったか、「ワイルドライフ」だったか、「サイエンスZERO」だったか、そのいくつかだったか。鈴木俊貴さんがシジュウカラ語を解する番組をみたことはあった。

 『僕には鳥の言葉がわかる』がヒットし、本屋に平積みになっていることも知っていた。でもそれを買うところまでは至っていなかった。

 https://www.nhk.jp/p/zero/ts/XK5VKV7V98/blog/bl/pMLm0K1wPz/bp/pJ68O13Oyn/

 今般、例の鈴木保奈美の「あの本、読みました?」(BSテレ東)に作者が出演し、いろいろと熱く語るのをみて、同書を買ってしまった。

 https://www.bs-tvtokyo.co.jp/anohon/

 同番組をみながら、教科書がなぜ面白くないのかに思いをいたした。知識偏重、紙数の制約から、もろもろの研究成果の上澄みだけ、学会の通説的見解の結論だけを紹介しているためだから。

 見解の相違が生じた原因、研究者たちの探求、自説を裏付ける証拠の発見、それが通説へと収斂していった経過などを紹介すれば、とても面白いものになるのだろうけれど。

 鈴木博士の研究も、「ダーウィンが来た!」だったか、「ワイルドライフ」だったかでみたときは、シジュウカラもただ鳴いているだけではなく、コミュニケーションをしている!というトリビア的なネタとして紹介されていたと思う。

 鈴木保奈美の番組を面白くかんじたのは、当初、そのような仮説を思いついてから、同説を実証するまでの涙ぐましい努力が語られていたから。そこを面白いと思い、同書を購読するに至ったのである。

 高校生のころ双眼鏡を入手し、バードウォッチングにはまる。図書館に通い詰め、コンラート・ローレンツの『ソロモンの指輪』などを読みあさる。大学で鳥の研究者を目指す。

 『ソロモンの指輪』などは、わが大学の生協でも指定図書として平積みになっていた。残念ながら、そちらの方面へ向かうことにはならなかった。19の夏。

 鈴木さんが大学三年のとき、中軽井沢で出会ったのが、シジュウカラ、コガラ、ヤマガラ、ヒガラ、ゴジュウカラ(以上〝カラ類”)のほか、コゲラ、アカゲラ、アオゲラ(以上〝キツツキ類”)からなる混群である。

 ある日、コガラが「ディーディーディー」と鳴いていた。なんだろう?と思っていると、シジュウカラやヤマガラたちがその鳴き声のほうへと飛んでいった。鳴き声のほうへ行くと、誰かがヒマワリのタネをまいていた。コガラはそれを他の個体に知らせていたのだった。種をこえて。

 実はこれは出発点となる仮説で、これを実証するためには涙ぐましい努力が必要となる。個体差なども考慮すると、10羽のシジュウカラにコガラの「ディーディーディー」を聞かせ、他の10羽には別の鳴き声を聞かせて、いつも同じ結果がでなければ偶然の要素を排除できない。

 面白いのはこれが混群のなかで起こっているということだ。混群とは違う種の鳥が群れをなしているということ。コガラとコゲラ、呼び方は似ているけれども、種が違う。一方はスズメの仲間で、他方はキツツキの仲間だ。

 利己的な遺伝子の考えからすれば、コガラが自分のエサを減らして、他の種にエサのありかを教えることは考えられない。しかし、混群のなかではそれが行われている。

 なぜか。そのほうがエサは減るけれども、猛禽類など敵に襲われる危険が減るから。自分だちだけで生活しているときは、しょっちゅう上空を警戒していなければならない。エサ探しに集中できない。種を超えて、猛禽類接近の危険を伝え合うようになれば、上空を警戒する時間が減り、エサ探しに集中できるというわけだ。なるほど。

 なんだか。EU統合の話に似ている。人類も宇宙人侵略の危機に直面しないと仲よくできないのだろうか。それとも小柄なコガラたちに学ぶことができるのだろうか。シジュウカラというけれど、もうとっくに40歳は過ぎちゃったんだけど。

2025年6月23日月曜日

残雪の槍ヶ岳(11)ふたたび上高地

 

 肩の小屋を7時に出発、11時に上高地の東端である横尾にようやく到着。ここまで来ればもう安全・安心だ。転倒しても大けがはしない。バスセンターまであと3時間の行程だ。

 梓川の向こうに前穂高岳がみえる。登りと異なり、よい天気だ。あすは天気が崩れるので、前線の前衛の雲たちがとおりすぎていく。


 『氷壁』の舞台となった前穂東壁も鮮やか。


 横尾から1時間歩いて徳澤。徳澤園でカレーを食べた。


 梓川の河川敷が広くなる。川向こうに前穂と明神岳。






 またまたニホンザルの群れにであった。母子、兄弟姉妹、ひとりもの。のどか。


 徳澤からさらに1時間で明神。この奥に穂高神社奥宮がある。背後は明神岳。


 ヒキガエル。神の使いか。宝満山の固有種ではないので、上高地にいたって不思議ではない。夜行性なはずなのだが、春の陽気に昼夜逆転か。


 清水川の清流。流れにゆれるバイカモの緑が美しい。


 肩の小屋から7時間で河童橋。梓川の清流、エメラルドグリーンにしびれる。いまだ雪深い岳沢、その向こうに奥穗高岳やロバの耳とジャンダルム。よい天気で美しい。

 この日自宅に帰り着いたのは24時だった。4時半起床だったから、20時間半の大旅行。疲れたが充実の一日だった。明日から仕事だ。

2025年6月20日金曜日

残雪の槍ヶ岳(10)山をくだる

 

 さてそろそろ山をくだろう。登りと同じく、槍沢をくだる。常念山脈をみながらくだることになる。槍ヶ岳肩の小屋の標高が3080m、上高地の標高が1500mであるから、標高差1580mをいっきにくだらなければならない。宝満山2個分である。

 下りのほうが登りより楽だけれども、事件は現場で・・もとい、事故は下りで起きている。今朝は氷点下10度だったので、雪面はアイスバーンのようにカチコチになっていて、一度滑り始めたら止まらない。

 ほんとうはもう少し気温が上がり、雪面が融解するのを待ってくだるほうが安全だ。しかしそうすると今日中に博多まで帰り着かない。しかたがない、用心してくだろう。



 カールの底を行く先行者が見える。かれらは難所を無事くだりおえたようだ。


 肩の小屋直下の急斜面を下りおえて振り返る。後続のグループが続々とおりてきている。

 今日も槍ヶ岳ブルーだ。明日は天気が崩れる予報になっている。この天気も今日までだ。みな家路をいそいでいる。


 グリーンバンド上部。さあ、グリーンバンド直下の急斜面が待っている。常念の美しい稜線もここまでだ。


 グリーンバンド直下の急斜面を下り終えた。ここらあたり、両側から雪崩れと落石の危険がある。用心が必要だ。

 振り返る。大喰岳と今日登る人たちだ。明日は天気が崩れるので日帰りだろうか。かれらの安全を祈る。


 大曲が見えてきた。山は左から表銀座の西岳と赤沢岳だろう。いよいよ梓川上部、槍沢に入っていく。


 槍沢上部。ことしは雪が多く、沢は雪の下に隠れている。雪解けが進むと、雪渓の右手にクラックが入り危険な状態になる。だいじょうぶだとは思うが左寄りに進む。若者たちは無頓着だ。

2025年6月19日木曜日

残雪の槍ヶ岳(9)朝陽

 

 翌朝4時55分が日の出予定時刻。4時30分に起床して、日の出を待つ。この日は氷点下10度。寒い。幸い風はない。

 ブルーモーメントをややすぎたようだ。空はもうだいぶ白んでいる。

 朝陽は大天井岳方面からのぼるはずだ。穂先も首をかしげて、日の出を待っているかのようだ。


 

 ご来光。待望の朝陽。美しい。希望の朝だ。 


 あんな岩場で撮影している人がいる。見ているほうが怖い。きっと絶好の撮影ポイントなのだろう。左奥は常念岳。


 大喰岳にも朝陽があたる。昨日の夕陽とは逆で、信州側の斜面が明るくなっている。


 大喰岳の奥には穂高連峰。北穂と前穂だろう。


 笠ヶ岳の山頂・稜線部にも日があたりはじめた。


 西鎌尾根から双六岳、黒部五郎岳方面。右端は三俣蓮華。


 右側は鷲羽岳。奥は雲ノ平を経て、薬師岳。 


 鷲羽岳の稜線の左端に三俣山荘が見えている。


 左手前に鷲羽岳、奥は黒岳。黒部源流、裏銀座の山々だ。


 奥に立山・劔岳。