2025年6月16日月曜日

残雪の槍ヶ岳(6)肩の小屋まで

 

 グリーンバンドからは雪渓をひたすら登る。槍の穂先はつねに見えているのに、いっこうに近づいてこない。穂先の左手に見えてくるのが肩の小屋、右手前(穂先の直下)に見えてくるのが殺生ヒュッテである。物騒な名前は昔この場所が狩猟に適した場所だったことから。


 この日は快晴。空の青が濃い。槍ヶ岳ブルーだ。ときおり薄雲が湧いては流れていく。


 振り返ると、谷の向こうに常念山脈。左手の円錐が常念岳、正面が蝶ヶ岳。あの麓が横尾であるから、槍沢は蛇行しながらも東南東方向へ伸びている。



 最後の急坂だ。先行者たちも難儀しているようだ。みななかなか進行しない。斜度が増していく。


 もう限界だと思うころ、肩の小屋のある稜線に出た。ふう。

 稜線では岐阜県側が望める。西鎌尾根から裏銀座の山々が美しい。


 肩の小屋の向こうは槍の穂先だ。すごい物量感とガレ感。雪は少ないようだ。しかし登山道の要所要所に雪がついている。さて登れるだろうか。

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