明神から1時間歩くと徳澤である。広々としたキャンプ場があり、開放感がすばらしい。右側の山並みが常念山脈、左側に梓川をはさんで槍穂高連峰がそびえている。
上高地は標高1500m。徳澤、横尾もほぼそれくらいである。1000m登るにつれ、気温は6度マイナスだから、平地より9度くらい低い。5月だと9~16度くらいである。
徳澤には山小屋がふたつある。徳澤ロッジと徳澤園。徳澤園には宿泊したことがある。氷壁の宿と呼ばれ、人気なので。
ここは軽食・喫茶室。宿泊しなくても利用できる。コーヒーとソフトクリームがおいしい。もちろん行きよりは帰りのほうが、ずっとおいしい。
山小屋といっても、旅館と山小屋の中間形態。上高地は一般車進入禁止であるが、許可車は乗り入れ可能なので、町と遜色ないサービスが提供可能なのである。
氷壁の宿と呼ばれるのは、井上靖の小説『氷壁』の舞台となったから。
登山家の魚津は、昭和30年の年末から年始にかけて、親友の小坂と前穂東壁の冬期初登頂をめざす。吹雪に見舞われ厳しい登攀を強いられるなか、山頂直前で小坂が滑落・・・。
徳澤からすこし行き、新村橋で梓川を渡る。しばらく行くとパノラマルートに行く道と奥又白池に行く道に分かれる。魚津たちは後者を登っていった。
奥穂東壁は、そこまで行かなくとも、横尾へ続く登山道を歩いていると、美しく輝く奥穂の懐に見えている。
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