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2023年10月10日火曜日

木曽駒ヶ岳、霧ヶ峰、乗鞍岳、美ヶ原(5)4日間で日本百名山4座

 

 この旅はまもなく結婚予定のカップルと私の3人の旅となってしまいました。計画段階では違うメンバー構成だったのだけれど、途中で1人が参加できなくなってしまい、その代わりに1人があらたに加わった結果、こうなったのでした。

むかし同じ事務所の迫田弁護士夫婦と屋久島の宮之浦岳に登ったことがありました。そのときは3人とも若かったせいか、同じ部屋で川の字になって寝たりして、疎外感はそれほどではありませんでした。

しかし、今回はさすがに年齢も離れていますし、新婚旅行に紛れ込んだおじゃま虫か、せいぜいが同行カメラマンという感じでした。ははは。

日本百名山といえば、その選択基準が①高さ、②歴史、③品格などとされており、一座登るのに2~3日かかるのが一般です。しかし今回はそこを工夫して4日間で4座登る計画をたてました。

登ったことのある人は分かると思いますが、深田久弥の時代はともかく、いまの時代はロープウエイやビーナスラインなど道路が整備され、4日間で4座を登ることは十分に可能です。

そして天気にもめぐまれました。やはり、ひごろの行いでしょうか。みなの体力もなんとかもって、無事、4日間で4座を登ることができました。2人も大感激、大満足の様子でした。感謝、感謝。

2023年10月5日木曜日

木曽駒ヶ岳、霧ヶ峰、乗鞍岳、美ヶ原(4)フォッサマグナ・糸魚川静岡構造線

 


 きょうは、諏訪湖で交差しているもうひとつの大断層、フォッサマグナの西端・糸魚川静岡構造線の話です。フォッサマグナは学校で習ったのではないかと思います。これもナウマンが発見したものです。

写真(奥の山並み)は霧ヶ峰からみた北アルプス。右側に槍ヶ岳、左側に穂高連峰、中央部の凹は大キレットです。

フォッサマグナの西端・糸魚川静岡構造線は、名前のとおり、日本海岸の糸魚川から太平洋岸の静岡までの大断層です。

フォッサマグナと糸魚川静岡構造線は、違う概念です。フォッサマグナは日本列島を中央で分断する大きな溝。線ではなく、三次元の凹です。

そこはむかしむかし海でした。その凹に新しい土砂がたまって、いまのように東北日本と西南日本がひとつの列島としてつながったのでした。あら不思議。

そのフォッサマグナの西端の大断層が糸魚川と静岡を結ぶ構造線となっているわけです。

これに対し、東の端がどこかについては議論があります。北は新潟県の柏崎か新発田あたり、南は千葉あたりのようです。とにかく日本列島の中央部に大きな溝が存在したことは争いがありません。

ただし土砂がたまっただけでは説明できないところがあります。フォッサマグナの中央部には、北から妙高山、黒姫山、八ヶ岳、冨士山、箱根、天城山などの山々が連なっているからです。これらはマグマの上昇によるものと説明されています。

日本列島は、大陸プレートと太平洋プレートとフィリピン海プレートという3つのプレートが出会う場所にあります。それらのプレートが互いにおしくらまんじゅうをした結果、いまのような列島になりました。

太平洋プレートが東側から、フィリピン海プレートが南側から大陸プレートの下に沈み込むことにより、日本列島にシワがよったり、マグマが噴き出したりしたというのです。

霧ヶ峰(エアコンの名前ではありません。諏訪湖の北に位置する百名山です。)の涼しい風に吹かれ、北アルプスの山々をながめながら、そのような雄大な日本列島のなりたちに思いをはせました。

2023年10月3日火曜日

木曽駒ヶ岳、霧ヶ峰、乗鞍岳、美ヶ原(2)ナウマン


 ナウマンを直訳すると、イマジン?それとも、いまどきの人でしょうか。じつは明治期のお雇い外国人の一人です。

むかし子どもの絵本に『野尻湖のぞう』という絵本がありました。いまもあるのでしょうか。

野尻湖は長野県の北部、新潟県との境、黒姫山や妙高山に囲まれ、その麓にあります。妙高山に登った際、いちど訪ねたことがあります。

野尻湖はむかし日本に生息していたナウマン象の化石が出たことで有名。その事実は明治初期のお雇い外国人ナウマンが発見しました。だからナウマン象です。

ナウマンは明治初期、日本に地質学をもたらしました。来日したときは21歳。いまの大学3年生くらい。それでいて東大地質学教室の初代教授です。

NHK朝の連続ドラマ「らんまん」が終了しました。植物学教室と牧野富太郎博士の交流や確執がえがかれました。ドラマの緊張がたかまると、浜辺美波の愛くるしい笑顔が癒やしをあたえていました。

植物学教室と地質学教室はどのくらい離れていたのでしょうか。キャンパスでナウマンと牧野博士が顔をあわせ、ときには会話を交わしたこともあったかもしれませんね。

ナウマンは北海道を除く、本州、四国、九州を広範囲に調査し、その距離は全長1万キロメートルに及んだとか。

それまでの日本地図は伊能図で平板だったものに、等高線を書き入れたのもナウマン。並行して日本の地質を調査しました。

その結果、フォッサマグナや中央構造線の存在を発見しました。そして『日本列島の構造と起源について』を発表しています。

明治期の人たち、日本人であると外国人であるとを問わず、すごくないですか。牧野博士がドラマになるのであれば、ナウマンも是非ドラマにしてほしいです。

2023年10月2日月曜日

木曽駒ヶ岳、霧ヶ峰、乗鞍岳、美ヶ原(1)諏訪湖

 

 先週は投稿をお休みしました。すみませぬ。先々週末、木曽駒ヶ岳、霧ヶ峰、乗鞍岳、美ヶ原という日本百名山を4座登ってきたので、その間たまった仕事等に追われていたのでした。

きょうから、その報告。今回の旅のテーマはナウマンの偉業をたたえるです。

写真がどこかわかりますか。諏訪湖です。諏訪湖ときいただけでナウマンとのつながりがわかった人はなかなかの通ですね。

諏訪湖は、フォッサマグナの西端・糸魚川静岡構造線と中央構造線が交差する位置にあります。日本列島のヘソといってよいでしょう。今回の山行との関係でいえば、霧ヶ峰の山麓です。

たまたまそこに位置しているのではなく、中央高地の隆起活動と糸魚川静岡構造線の断層活動により地殻が引き裂かれてできた構造湖です。

このコースは以前にも経験したことがあるのですが、前回は諏訪湖をスルーしてしまいました。今回は、NHKジオ・ジャパンのシリーズにより日本列島のなりたちの理解が進んだので、是非、現地を訪ねてみようと思いました(八ヶ岳から遠望したことはありましたが)。

中央線の上諏訪駅を降ります。北側に改札口があるので、左折して線路沿いに行くと、さらに左折。線路をくぐると、むこうに諏訪湖が見えています。

モニュメントがあり、そこを抜けると諏訪湖の絶景が開けています。写真をみて、湖の向こう側の左手(諏訪湖南西側)には諏訪湖南岸断層群があります。同じく右手(諏訪湖北東側)には諏訪湖断層群があります。

湖を取り囲むように諏訪大社4社が位置しています。上社本宮、上社前宮、下社春宮、下社秋宮。諏訪大社は諏訪湖と密接な関係があるにもかかわらず、上社は諏訪湖からずいぶん離れたところに立っています。なぜでしょう。

諏訪湖には流入する河川がたくさんあるにもかかわらず、流出する河川は南西側の天竜川しかありません。土砂の堆積が進み、年々、面積が縮小しています。そのため、上社は離れたとこにあるのだとか。むかしは湖面に近く建てられていたそう。ごらんのとおり、写真でも湖面の縮小を実感することができます。