2013年3月28日木曜日
天城山で出あったもの(2)
人間の視覚(とその脳内処理)は
じつにすぐれていると思います。
写真を撮っていると
それを痛感しますよね。
視覚だと,ふつうに自然に見える景色も
写真にすると,なかなか困難。
視覚と写真では
かなり能力に差があるからでしょう。
遠近,焦点,明暗,コントラスト,順逆光
場面のつながりなど。
写真で失敗するのも
このような能力差によるものでしょう。
さいきんはカメラのなかのコンピューターが
かなり能力差を縮めてきています。
それでも
やはり能力差は歴としてあります。
人間の視力がこのようにすぐれているのは
なぜでしょう?
物理的にみえるままではなく
脳内でうまく処理しているからなのでしょう。
ところが逆に
だまし絵というのがあります。
人間の視覚の個性を逆手にとって
物理的にあるものを見えなくさせてしまいます。
これなどは逆に,物理的にみえているものを
脳がおかしな処理をしているのでしょう。
また,探し物がそこにあるのに
見つからないという場合もありますね。
明くる日,探すつもりがなくなってみると
ちゃんとテレビの上にあるじゃん,といったようなこと。
これまた逆に探す意欲が低いために
見つからないということもありますよね。
あるかどうか自信がないときには
見つけきれない。
でも,そこに絶対あるはず!と確信があれば
容易に見つかるという場合です。
山歩きをしていて最近感じるのは
この最後の場合です。
以前は,山で野生のシカを
まったく見かけませんでした。
でも,この2年くらいは
たくさん見かけるようになりました。
まさかこの2年くらいで大量繁殖したわけでは
ないでしょう(トレンドとしてはあるでしょうが)。
やはり山にはシカがいるという確信により
シカが見えるようになったと考えるほかありません。
天城山でもなんと
10匹もの野生のシカといきあいました。
八丁池てまえの登りであえいでいると
右側の坂上で「たたっ」という音がしました。
みると,子鹿が2匹
逃げていくところでした。
万二郎岳からのくだりでは
まず3匹が逃げていきました。
うち2匹はお尻が
見えただけ。
もう1匹は気配があるものの
姿がみえません。
やむなく手を叩いてすこし驚かしてやると
「ケン!」と鳴いて,山上のほうへ逃げていきました。
山中で最後にあった1匹が
写真のやつ。
もう5mくらいの距離で
いました。
木の陰にいたので
見逃しそうでした。
カメラを向けても,度胸があるのか
逃げようとしません。
しばらく目のまえで木の皮などを食べていましたが
やがて山へ帰っていきました。
残りの4匹は,バスのなかから
見えました。
これらのシカが
天城山で出あったもの,その2です。
2013年3月27日水曜日
天城山で出あったもの(1)
天城峠からは八丁池,そして万三郎岳,万二郎岳
の両ピークを経て天城高原ゴルフ場までのコース。
標高差756m,コースタイム6時間30分~
7時間30分とされています。
天城山といっても,その名のピークはなく
万三郎岳,万二郎岳がそれだとされています。
万三郎岳が1406mで
最高峰です。
久住山が1787m,牧ノ戸峠が1330mですから
峠からすこし登った沓掛山くらいでしょうか。
シーズンオフなせいか行き交う人もすくなく
4パーティほどしか会いませんでした。
なので,『伊豆の踊子』や『天城越え』
のような出あいはもちろんなし。
このコースで会えた美形は
やはり雪を冠した富士山です。
天城峠から向峠をへて大見分岐までの途中で
突然,左手方向に姿をあらわします。
いや~
もうほんとうに感動しますね。
それからしばらくは
見え隠れします。
八丁池への登りになると見えなくなり
池につくと見晴台から池越しに遠望できます。
後半はやはり見えなくなり
万三郎岳の山頂と万二郎岳の直下で見えるだけです。
いずれも
見えたときの感動はひとしお。
『伊豆の踊子』や『天城越え』のような出あいなんぞ
これに勝るものではありません(と,日記には書いておこう)。
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