2025年10月16日木曜日

根抵当権設定登記抹消登記請求事件(勝訴)

 
 
 根抵当権設定登記抹消登記請求事件に勝訴した。

 筑紫地区にある宅地に、昭和46年8月付けで、根抵当権設定登記がなされていた。根(ね)抵当権は、普通の抵当権と異なり、変動する被担保債権を極度額の範囲で担保する抵当権である。

 住宅ローンであれば元本が変動することはない。しかし、八百屋や豆腐屋の仕入れ代金などとなると毎月変動することとなる。その都度、普通の抵当権を設定していたのでは、手間と設定費用がバカにならない。そこで元本変動を容認する抵当権が必要とされたのである。その代わり、普通の抵当権とおなじ状態にするには元本の確定手続が必要となる。

 設定会社は、平成20年4月に解散し、同年9月精算結了、閉鎖登記がなされていた。登記された清算人は平成29年死亡し、清算人はいなくなっていた。

 このような場合、根抵当権設定登記抹消登記請求とともに、相手方の会社の特別代理人の選任請求を行う。相手方の代理人弁護士をこちらの費用負担で選任するのである。弁護士費用が2倍かかるけれどもやむを得ない。

 根抵当権は設定の時から3年を経過すると元本の確定請求をすることができる。本件根抵当権は昭和46年8月設定であるから、令和7年の現在であれば疾うに3年を経過しており元本の確定請求を行った。

 同請求から2週間で元本は確定する。被告会社は、すでに清算を結了しているくらいだから、被担保債権があるはずはない。そのため、本件根抵当権は被担保債権の不存在により消滅することになる。

 かくて根抵当権設定登記抹消登記請求事件に勝訴した。普通の弁護士であれば、誰でも勝てる事件ではある。が、困っている人のために、一応のご紹介まで。

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