示談金として820万円を請求されていた裁判が和解金200万円を支払うという条件で解決した。
依頼人は、ある中小企業の雇われ社長Y。請求者は、同社の実質的なオーナーX。Yが会社の自動車を無免許で運転して交通事故を起こし、全損扱いとなった。
自動車代120万円は支払い済み。それ以外に会社が機能停止となり、それによる損害が820万円にのぼったと主張され、その損害額を支払う旨の示談が成立していた。
物損のばあい、自動車買換代のほか、営業車の場合には休車損が認められる。しかしそれは相当なる買換期間中もしくは修理期間に限られる。
820万円もの休車損が発生したとは思えない。実質的なオーナーなのであるから、直ちに代表者を交替させ、損害を最小限にすることもできたはずである。
しかし本件では示談が成立していることが痛い。当方の最大の弱点である。示談成立前に弁護士に相談・依頼すべきであった。
しかし、会社の損害について、実質的なオーナーは請求できるのか。取締役が第三者に加えた損害賠償については、会社法429条に定めがある。本件ではその要件を充たすのか。激しく争った。
示談成立もXの強迫によるものであり取り消す、あるいは、820万円もの請求は公序良俗に反するものである。などなどと争った。
結果、上記のとおり200万円で和解が成立した。10万円ずつ20回の分割払いである。まずまずの解決だと思う。
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