きょうはもうずいぶん秋の気配が濃厚
さらに季節をさきどりして『細雪』の話題。
せんじつ,後輩の弁護士と司法修習生と
話をしていました。
たまたま僕がその修習生の実家のある地方を
尋ねたばかりでした。
そのため修習生を法律事務所に採用するにあたり
身元調査をしたと疑われたらどうしよう?という冗談になりました。
谷崎潤一郎の小説『細雪』のなかに
身元調査の話がでてきます。
4人姉妹の3女,雪子の見合話を
身元調査の結果が悪かったとして断るくだりです。
そのことを後輩弁護士と修習生にいうと
2人ともぽかんとした顔をしています。
どうやら谷崎の『細雪』を読んだことがないレヴェルではなく
小説の存在じたいを知らないようなのです。
これにはびっくり。
ふたりとも立派な大学の文系です。
小説が売れなくなったといわれて久しいですが
たしかにこれではねぇ。
さいきんの若者はなってない!
とまぁ,ふつうだったらなるのでしょう。
でもこれもせんじつ
ある講演のきいた話。
われわれの年齢の人間はどうあがいても
あたらしい時代の徴候がみえない。
ものの見方が固定化してしまっている。
あたらしい見方は若い人でないとできない。
それゆえ,あたらしい時代のあたらしい見方を
得るには若者にすすんで教えてもらう必要がある。
云々。
というお話でした。
僕はその話を思い出し
『細雪』も知らんのか!というのをぐっとこらえました。
それにしても
もったいない気がします。
そもそもいまの日本から失われてしまった(?)
古きよき日本を彷彿とさせるよい小説なのですがねぇ。
弁護士 浦田秀徳
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