2011年12月15日木曜日
『クライマーズ・ハイ』(2)
マスコミと弁護士の関係はいろいろですが
大規模集団訴訟においてはおおむね応援してもらう関係です。
水俣病第3次訴訟のあと
南九州税理士会違法献金事件
薬害エイズ事件・福岡訴訟
ハンセン病訴訟
薬害肝炎訴訟
と応援してもらいました。
あまり詳しいことは書けませんが
マスコミと弁護士は情報を介してギブ・アンド・テイクの関係。
裁判や運動の情況を会見やレクを通じて
報道してもらう関係にとどまりません。
弁護団がもっている情報を提供しつつ
マスコミが知っている情報を教えてもらったりします。
水俣病第3次訴訟のころ
相手方は「国」でした。
その後、「国」のなかもいろいろで
行政と立法は意外と別で
行政も厚生労働省、法務省
政府・官邸筋などに分かれ
厚生労働省も大臣と官僚、官僚も部署によって
それぞれ考え方が違うことが分かります。
そんなこと政治学の教科書に書いてあるでしょ!
ということですが
実際に裁判をやっていると
被告は「国」だと抽象的にとらえがち。
現場の訟務の人たちと話していると
法務省は薬害肝炎の解決に消極的なように思えます。
でも幹部やバックヤードでは
意外と患者側を支持してくれたりもするのです。
「国」の内部の支持、不支持の色分けや
力学はマスコミのほうが断然詳しかったりします。
大規模集団訴訟では、このような情報を入手しつつ
運動をすすめていく必要があります。
ただ魚心あれば水心
マスコミ側ももちろん記事になるネタを知りたいし書きたい。
彼らの主な行動基準は
2つ。
①取りこぼし(自社だけ報じない)は困る。
②スクープしたい。でも、抜かれるのはイヤ。
これが、おつきあいするうえで困った点。
クローズを前提にしたお話が記事になったりするので。
これを避けるためには、信頼関係が必要
誰とでもおつきあいするわけにはいかなくなります。
(つづく)
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