2011年2月7日月曜日
春の緑とリスとピツァ
春の話題をもうすこし。
北海道は洞爺湖の北に立つ百名山、後方羊蹄山(蝦夷富士)に登り
倶知安・半月湖へくだる森でのことです。
エゾリスが樹から降りてきて、山道にちょこんとすわって(ノル・ウェイ)
エゾマツの実をついばみ、食べ終わると去っていったことがありました。
まるで遠来の登山者に寸劇を披露して去ったという感じ
北海道のリスは芸達者でもてなし上手だなぁと感動しました。
今僕の前に座っている彼女はまるで春を迎えて世界にとびだしたばかりの
小動物のように瑞々しい生命感をほとばしらせていた。
(村上春樹「ノルウェイの森」第四章)
緑のことを思い浮かべると、羊蹄山のエゾリスのしぐさを思い出します。
さてそんな緑が父を亡くしたあとのデートでのことですが…。
僕がよく行くピツァ・ハウスに彼女をつれていって生ビールとアンチョビの
ピツァを注文した。僕はそれほど腹が減っていなかったので十二ピースの
うち四つだけを食べ、残りを緑が全部食べた。
(村上春樹「ノルウェイの森」第九章)
緑が残りを全部食べたのは、お腹が減っていたからでしょうか
それとも、ほかになにか意味があるのでしょうか?
物語のはじめのほうに僕が好きな本が紹介されています。
18歳の年の僕にとって最高の書物はジョン・アップダイクの
「ケンタウロス」だった…。
(村上春樹「ノルウェイの森」第三章)
「ケンタウロス」は現代アメリカの田舎町の高校教師の親子愛を
ギリシャ神話をベースに、あるいは、混交させながら描いたもの。
そうであれば、緑と僕のピツァのエピソードも
ギリシャ神話をベースにしているはず…。
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