2010年11月30日火曜日
そんな装備で大丈夫か?
薬師岳に登る途中、薬師峠からガレ場を登り詰めると
薬師平という広いところに出ます。
(9月の記事「窮するもまた楽しみ」参照)
その中央部には人の背より高いケルン
愛知大遭難慰霊碑です。
愛知大学山岳部13人のパーティは、1963年(昭和38)1月
薬師岳頂上を目指したところ
豪雪吹雪の中で下山途中ルートを誤り13人全員が遭難死
前代未聞の大量遭難となりました。
薬師平の広さゆえ、リングワンダリング
(同じところをぐるぐるまわる)状態となり
薬師峠へのルートから90度外れ
東南尾根に入りこんでしまったようです。
パーティの中に地図とコンパス(磁石)を携行している者は
誰一人いなかったといいます。
普段の山でも道迷いはあります
豪雪吹雪という厳しい条件での行動となるとなおさらでしょう
地図とコンパスなしに正しい判断をすることは絶望的。
遭難慰霊碑は雨のなか、粛然とたたずんでいました。
碑は霊を慰めるだけでなく、われわれに語りかけてもきます。
こういう語りに接したときに
あすは我が身と考えるか、昔の話と切り捨てるか
自分の人生においてもやはり重要な岐路に立っていると考えます。
そんな装備で大丈夫か?
自分の心につっこみを入れてみる必要があります。
ハンセン病問題に対する対応の間違いの話をすると
小泉首相が控訴断念して謝罪したから(2001年)
その問題は解決済みじゃないのーという反応が一般的。
でも同種の問題が起きたとき2度と同じ過ちしなくなったときに
はじめて解決済みといえると思います。
きょう・きょうのヘッドラインをみるだけでも
気になる記事が並んでいます。
1.新型インフル行動計画修正へ 厚労省専門家会議
1.薬害C型肝炎、カルテなし患者が初の集団提訴
1.HIV感染者、国内は増加傾向 短期で発症のウイルスも
1.<鳥インフル>鶏2万3300羽殺処分へ 高病原性か 島根
1.韓国の養豚農家で口蹄疫、農水省警戒呼びかけ
1.ノロウイルスなど感染性胃腸炎が急増
これらの問題に対し
政府は、あるいは、われわれは
ハンセン病問題の反省を踏まえて
適切な対応ができるでしょうか?
2度と同じ過ちをしないでしょうか?
昨年、すわ新型インフル発生だとして
政府・マスコミがやっていたのは
ウイルスを国内に持ち込んだのは誰かと犯人捜し
その関係者に土下座要求…
感染者はまるで犯罪者かバイ菌扱い。
それが効果があったかというと
そうしたドタバタをあざわらうかのように
いつのまにか国内で蔓延。
こんな状況では
仮に私が感染者になったとしても
正直に名乗りでたりしませんね
家でおとなしく寝ています
みなさんも同じ対応をせざるをえないと思います。
私が感染者になったときに必要なのは
感染してもきちんとした医療が安心して受けられるよ!
感染してもマスコミの餌食になったり
差別・偏見にあったりしないよ!
というメッセージと体制です。
それがあればちゃんと正直に名乗り出て医療を受けると思います。
(その結果、感染の拡大も防止できることになります。)
「新型インフル行動計画修正へ 厚労省専門家会議」
この記事を読んでも、どうも先のメッセージは伝わりません。
ほんとうに大丈夫なんでしょうか?
そんな装備で大丈夫か?といいたくなります。
ハンセン病療養所には納骨堂があります
納骨堂も犠牲者の霊を慰めるだけでなく
われわれに語りかけてきます。
ハンセン病問題の教訓は活かされているのでしょうか?
同じところをぐるぐるまわり
間違ったルートに迷いこまなければいいのですが…。
恐れ入ります。昨日コメントしたのですが、コメント欄に残っていないようです。変なことを書いたので削除されたのかも知れません。それはそれで結構ですが、そもそもコメント欄の記入の仕方が他のブログとは異なるのかもしれませんね。実験的な意味で今日も投稿いたします。
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