2025年6月20日金曜日

残雪の槍ヶ岳(10)山をくだる

 

 さてそろそろ山をくだろう。登りと同じく、槍沢をくだる。常念山脈をみながらくだることになる。槍ヶ岳肩の小屋の標高が3080m、上高地の標高が1500mであるから、標高差1580mをいっきにくだらなければならない。宝満山2個分である。

 下りのほうが登りより楽だけれども、事件は現場で・・もとい、事故は下りで起きている。今朝は氷点下10度だったので、雪面はアイスバーンのようにカチコチになっていて、一度滑り始めたら止まらない。

 ほんとうはもう少し気温が上がり、雪面が融解するのを待ってくだるほうが安全だ。しかしそうすると今日中に博多まで帰り着かない。しかたがない、用心してくだろう。



 カールの底を行く先行者が見える。かれらは難所を無事くだりおえたようだ。


 肩の小屋直下の急斜面を下りおえて振り返る。後続のグループが続々とおりてきている。

 今日も槍ヶ岳ブルーだ。明日は天気が崩れる予報になっている。この天気も今日までだ。みな家路をいそいでいる。


 グリーンバンド上部。さあ、グリーンバンド直下の急斜面が待っている。常念の美しい稜線もここまでだ。


 グリーンバンド直下の急斜面を下り終えた。ここらあたり、両側から雪崩れと落石の危険がある。用心が必要だ。

 振り返る。大喰岳と今日登る人たちだ。明日は天気が崩れるので日帰りだろうか。かれらの安全を祈る。


 大曲が見えてきた。山は左から表銀座の西岳と赤沢岳だろう。いよいよ梓川上部、槍沢に入っていく。


 槍沢上部。ことしは雪が多く、沢は雪の下に隠れている。雪解けが進むと、雪渓の右手にクラックが入り危険な状態になる。だいじょうぶだとは思うが左寄りに進む。若者たちは無頓着だ。

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