2025年2月17日月曜日

渡邊直子講演会~大野城から日本人女性初8000m峰14座完全制覇へ~

 


 渡邊直子さんの講演会に行ってきた。渡邊さんは日本人女性で初めて8000m峰14座をすべて登った人。とても愉快な講演だった。

 地球上で8000mを超える山は14座しかない。エベレスト、K2、カンチェンジュンガ、ローツェ、マカルー、チョ・オユー、ダウラギリ、マナスル、ナンガ・パルバット、アンナプルナ、ガッシャーブルムⅠ峰、ブロードピーク、ガッシャーブルムⅡ峰、シシャパンマ。すべてヒマラヤ山脈にある。シシャパンマ登頂が渡邊さんの14座目である。

 他に七大陸最高峰というのもある。アジア:エベレスト、ヨーロッパ:モンブラン、北アメリカ:デナリ、南アメリカ:アクアコンガ、アフリカ:キリマンジャロ、オーストラリア:コジオスコ、南極:ヴィンソン・マシフ。こちらのほうがよく耳にする。「世界の果てまでイッテQ」でイモトアヤコが挑戦していたりするし。

 日本でも3000m峰というのがある。日本で3000mを超える山は21座ある。富士山、北岳、奥穗高岳、間ノ岳、槍ヶ岳、悪沢岳、赤石岳、涸沢岳、北穗高岳、大喰岳、前穂高岳、中岳、荒川中岳、御嶽山、塩見岳、農鳥岳、南岳、仙丈ヶ岳、乗鞍岳、立山、聖岳。富士山と御嶽山以外は南と北アルプスに属している。日本の21座でさえもなかなか難しい。

 高山登頂の話というと、とてもつらく厳しく死ぬ思いをしたことが中心になりがちだ。でも渡邊さんの講演は違った。

 登山思想の違いだ。14サミットを目指すのか、山好きの結果14サミットに登ってしまうのか。目的なのか結果なのか。大きな違いがある。

 渡邊さんは山が好きでシェルパたちが好きで入りびったっていた結果、14サミッターになった。そのことは、世界女性初「K2最多登頂(3回)」「マナスル最多登頂(4回)」でもあることに現れている。14サミッターをめざすのであれば、K2の2回、マナスルの3回を削れば、5回分は早く記録獲得ができたはずだ。

 さらに記録獲得が目的であれば、七大陸最高峰登頂もなしうるだろう。けれども、渡邊さんはシェルパたちと交流できなければ行く意味がないという。

 他の登山者たちとは資金力の違いもある。世界の高山に登ろうとすると、1座あたり千万円単位のお金がかかる。14サミッターはいま60人だが、そのほとんどはお金持ちである。お金があれば装備でもガイドでも思いのままである。対する渡邊さんは看護師であり、看護師として貯めた稼ぎを山につぎ込んでいる。つい最近までスポンサーに資金を頼るということもしてこなかった。

 なぜそこまでするのかは山が好きだから。幼少のころから山に登り、雪山にはまるのも早く、海外遠征も早い。山好きにはめぐまれた人生である。

 シェルパたちとの交流エピソードも楽しい。講演は大野城市出身ということで、市の男女共同参画事業の一環としておこなわれた。講演の主眼は、もっと多くの人に山に親しんでほしいということにあった。

 家に帰ってさっそくクレイジージャーニーをみた。講演とはちがい、厳しいシシャパンマ登頂の様子が描かれていた。 

 写真は週刊文春のグラビアページから。女性登山家のグラビア目当てに週刊誌を買ったのは初めてである。

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