今夏,上高地から梓川を遡上し
槍ヶ岳に登りました。
その写真をフェイスブックにアップしたら
Nさんから,氷壁の宿でヤマメでも…というコメントが。
氷壁の宿とは徳沢園の山小屋のこと
上高地から8Kmほど奥にあります。
ここが氷壁の宿と呼ばれるのは
井上靖の小説『氷壁』の舞台のひとつになったことから。
主人公の魚津恭太と親友の小坂乙彦はここから
前穂高岳の西側の氷壁にいどみ遭難。
事故の原因をめぐって
魚津は運命にほんろうされていきます。
学生時代に読んだほか
映画もみた覚えがあります。
こんかい,Nさんのコメントをきっかけに
小説を再読してみました。
じっさいに穂高にのぼり親しい友人の死を経験したいまでは
小説の印象がずいぶんちがいました。
『天平の甍』や『敦厚』などの乾いた文体とも
ちがっていました。
読了後,末尾にある
福田宏年の『人と作品』を読んでいたら
井上靖が毎日新聞大阪本社に入社したことが
記してありました。
そういえば,山崎豊子さんはここで
井上と机を同じくしたのだったような。
人の運命は
わかりませんねぇ。
弁護士 浦田秀徳
0 件のコメント:
コメントを投稿