2012年1月17日火曜日
「運命の人」 by.山歩きの好きな福岡の弁護士
日曜は、NHK大河ドラマ「平清盛」のあと
TBS系で日曜劇場「運命の人」をやっていました。
「運命の人」というタイトルからすると
月9・青春ラブストーリーのようですが違います。
「白い巨塔」「華麗なる一族」「沈まぬ太陽」などと
おなじく山崎豊子さんの同名小説(文藝春秋)が原作なので。
ほかの山﨑作品とおなじく
実話がもとになっています。
(以下、多少ネタバレあり)
「西山事件ー外務省秘密電文漏洩事件」と呼ばれ
憲法の教科書や、判例百選に紹介されている重大事件。
1971(昭和46)年6月17日に調印された沖縄返還協定
その裏でかわされた日米の密約問題をめぐるものです。
モックン(本木雅弘さん)演じる主人公の政治部の記者
・弓成亮太は西山太吉さんという人。
北九州出身で毎日新聞の記者でした。
つまり、毎朝新聞社というのは毎日新聞社のことです。
真木よう子さんが演じる外務審議官付き事務官
・三木昭子は判例百選では「H事務官」という方です。
その他、政治家、外務省の官僚、読売新聞の記者など
すべての登場人物が実在の人物と比定できます。
フィクションではないと思って観ると
やはり凄みがあります。
(中略)
その結果、
刑事事件となり、H事務官は100条1項の守秘義務違反容疑
西山記者は111条の秘密漏示そそのかし容疑で逮捕・起訴されました。
国会公務員法100条1項はこう定めています。
「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」
同111条はこうです。
「…行為を…そそのかし…た者は、それぞれ各本条の刑に処する。」
西山記者の取材活動は
この「そそのかし」行為にあたるのかどうか?
憲法判例としては、国家秘密と取材の自由の相克が論点となり
1978(昭和53)年5月31日最高裁判決が出ています。
ふたりの運命はどうなるんでしょうね?
ちくし法律事務所 弁護士 浦田秀徳
西山太吉の話は交流事業での話である。
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