最近はすごい小説を読むとすぐに奥書をみて
著者の年齢を確認してしまいます。
髙野和明さん、1964年生まれ。
5つも年下か~。すごいな…(羨望)。てなぐあいです。
「ジェノサイド」(角川書店)
すごい作品です。
ジェノサイドは、人種・民族・国家・宗教などの成員
すべてに対する抹消行為。
ナチス・ドイツのユダヤ人虐殺(ホロコースト)など
大量虐殺の意味で使われることが一般的。
その他、国外強制退去による国内の民族浄化
異民族・異文化・異宗教に対する強制的な同化政策による文化抹消
国家が不要あるいは望ましくないと見なした集団に対する断種手術
隔離行為なども含まれます。
ジェノサイド、すなわち人の闇をリアルに描ききっているので
最後まで読みとおせない方もいるでしょう。
ベトナム戦争の真実を描いたオリヴァー・ストーン監督の
「プラトーン」のようでした。
でも闇が濃いほど
光も輝くといえます。
物語は2重構造となっており、村上春樹さんの
「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」みたいな進みゆき。
ジェノサイドの他方の筋は
人類を救う創薬ストーリーとなっています。
薬害訴訟に2度関与したことから
医薬品に対する人間のアンビバレントなスタンスを経験しました。
なので、こちらのストーリーはほんとうに
感動的。涙しました。
ご一読をおすすめします。
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