宝満山を竈戸神社側から登り、7合目(「閼伽の井」「西院谷」)を過ぎ
しばらくいくと、右上に、石碑があります。
中宮跡まで行ってしまうと、見過ごしたことになります。
戻るか帰りに見るか、思案のしどころでしょう。
石碑には芭蕉の句
世の人の みつけぬ花や 軒の栗
「奥の細道」のなかの句です。
芭蕉一行は白河の関を越え、福島県須賀川の宿
この宿のかたはらに、大きなる栗の木陰を頼みて、世をいとふ僧あり。
橡拾ふ深山もかくやと閑かにおぼえられて、ものに書き付けはべる、
その詞、
栗という文字は、西の木と書きて、西方浄土に便りありと、
行基菩薩の一生 杖にも柱にもこの木を用ゐたまふとかや。
世の人の みつけぬ花や 軒の栗
というくだり。
なぜ、この句が宝満山のこの場所に?
不明ですが、宝満山がそのころ修験道の山であり
精神的・気分的に芭蕉の句と相通じあうものがあったからでしょうか。
なお「橡(トチ)拾ふ深山」は
西行法師のつぎの歌より。
山深み 岩にしただる 水溜めむ
かつがつ落つる 橡拾ふほど
これには閑かさだけでなく、橡(トチ)と栗の実の連想によるところも
ありましょうか。
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