2010年12月7日火曜日
有明海訴訟、福岡高裁も開門を命ず
雲仙・国見岳(1347m)から有明海をのぞむ。
(国見岳の名はむかし国見をしたことに由来するものでしょう)
島原半島のむこうは有明海
左方が諫早湾
対岸は佐賀平野から筑後平野
そこに佐賀、柳川、大牟田の各市街。
昨7日、有明海訴訟において福岡高裁は
諫早湾の潮受け堤防排水門を開門するよう国に再び命じました。
有明海沿岸の漁民らは
国営諫早干拓事業で漁業被害を受けたとして
潮受け堤防の撤去や排水門の常時開門を求めていました。
民法上、物件・人格権などの権利を侵害するばあい
差し止め請求が認められると解釈されています。
本件では生活基盤にかかわる漁業行使権を侵害していると認め
侵害を差し止めるため、排水門を開門するよう命じたわけです。
(われわれ国民一般の有明海の環境を保全する権利や
ムツゴロウの生活権を認めたわけではありません
そこは現在の法律学の限界です)
開門賛成派は有明海の漁業者
反対派は国(農水省)だけでなく干拓農地の農業者
海幸vs.山幸ならぬ、海幸vs.農幸の争いになってしまっています。
海の神(ワタツミ)が死ねば
農業もたちいかないばかりか
そもそもわれわれ人間だれもが生きられないと思うのですが。
菅政権には
国原からは煙りたち、海原からはカモメたつような
うまし解決を期待したいと思います。
大和には 群山あれど
とりよろふ 天の香具山
登り立ち 国見をすれば
国原は けぶり立ち立つ
海原は かまめ立ち立つ
うまし国ぞ 蜻蛉島
大和の国は
舒明天皇・万葉集第一、二
(萬葉集釈注 一、集英社)
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