村木元厚生労省局長に無罪。繰り返し報道されました。
捜査の問題点は多岐にわたるでしょうが、ここでは人質捜査、人質裁判といわれていることに触れます。
テレビを見ていると、村木さんは歩いて法廷へ入っていきます。保釈されているからです。
保釈は裁判のあいだ被告人の身柄を自由にする制度。
村木さんは5か月以上勾留されていました。起訴後何ヶ月も保釈が認められなかったわけです。
裁判で有罪とされるまで被告人は無罪と推定されるのが大原則(憲法31条)。
憲法は、逮捕も含む身体の拘束について、その理由と必要性を裁判所がチェックし、一時たりとも不当または違法な身柄拘束を禁止しています(33条、34条)。
保釈も原則として許されなければなりません(刑事訴訟法89条)。
しかし、村木さんのように否認したりすると簡単には認められません。
人質捜査、人質裁判と呼ばれるゆえんです。
「裁判になれば長くなる。」などと検察官が自白を強要する手段ともなっています。
勾留制度を目的外に使用しているもので明らかに違法な運用です。
が、なかなか改められてきませんでした。
改善の兆しはあります。
先日、大麻取締法違反事件で保釈申請をしたら認められました。
検察官はこれに不服があるとして準抗告を申し立てました。
これまでだと、準抗告審で保釈が取り消されることが少なくありませんでした。
それがなんと検察官の準抗告は棄却され、保釈が維持されました!
刑事弁護は国民のみなさんの理解が得られにくく、弁護人のモチベーションも湿りがち。
ですが、少し元気がでました。
やま
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